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「Mobility for All」を実現するトヨタグループの自動運転技術とは!? ――存在感を増すTRI-ADの取り組みに迫る

2019/1/11(金)

TRI-AD Vice President マンダリ・カレシー氏

TRI-AD Vice President マンダリ・カレシー氏

2018年3月、トヨタグループは自動運転技術の開発促進を目指し「Toyota Research Institute Advanced Development(以下、TRI-AD)」を設立した。アメリカのToyota Research Institute(TRI)の研究技術の製品化のみならず、トヨタとソフトバンクが同年10月に設立した「MONET Technologies(モネテクノロジーズ、以下MONET)」の自動運転アルゴリズムの開発を担うなど、自動運転とMaaS領域で強い存在感を放っている。果たしてTRI-ADが生み出す自動運転技術とはどのようなものだろうか。TRI-ADのVice Presidentを務めるMandali Khalesi氏(マンダリ・カレシー氏、以下カレシー氏)に話を伺った。

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自動運転開発の加速を託されたTRI-AD

100年に一度の大変革と言われる自動車業界において、トヨタはラスベガスで行われたCES2018で、モビリティサービス専用の次世代EV「e-Palette Concept」を発表し、クルマ会社からモビリティ・カンパニーへと変革する姿勢を示した。全ての人が自由に楽しく移動できる「Mobility for All」を実現するため、着実に歩みを進めている。

2018年にトヨタが業界を驚かせたトピックスと言えば、前述のトヨタとソフトバンクモビリティサービスによるMONET設立が挙げられるだろう。MONETの社名には、全ての人に安心・快適なモビリティを届けるMobility Networkを実現したいという想いが込められており、前述の「Mobility for All」の精神が伺える。トヨタが構築したコネクティッドカーの情報基盤「モビリティサービスプラットフォーム(MSPF)」と、ソフトバンクのIoTプラットフォームを連携させ、移動における社会課題の解決や新たな価値創造を可能にする未来のMaaS事業を開始する。

TRI-ADは2018年10月に設立した新会社MONETの自動運転アルゴリズム開発を手掛ける



未来のMaaS事業を推進するために欠かせないのが自動運転技術だ。自動運転を行うためには、自動運転向けの地図生成、Lidarをはじめとしたセンシングデバイス、ディープラーニングを用いた認識技術、シミュレーションを用いたAIのトレーニングなど、さまざまな技術を上手く組み合わせていくことが欠かせない。こうした環境変化に対応するトヨタの動きは素早く、2016年にアメリカでToyota Research Institute(TRI)を設立し、自動運転やAI技術の研究に取り組んできた。そして2018年3月、自動運転技術の先行開発を促進するため、新会社となるTRI-ADを東京に設立した。CEOにはTRIのChief Technology Officerを務めるジェームス・カフナー氏が就任し、トヨタやTRIに加え、共同出資を行ったデンソー、アイシンからの人材も迎え、自動運転技術に関連するソフトウェアの開発により注力していく方針を示した。

トヨタグループの自動運転カンパニー!?

TRI-ADはトヨタ(90%)、デンソー(5%)、アイシン(5%)の共同出資により設立された



TRI-ADはクルマを製造するのではなく先行開発した自動運転関連ソフトウェアの製品化などを行っている。また、米国TRIやトヨタが欧州に構える研究拠点とも連携し、自動運転技術に関連するソフトウェアの製品化を進める役割を担っている。カレシー氏は「TRI-ADはトヨタの自動運転カンパニーという位置づけ」と語り、注力する3分野について、「(1)個人所有車(POV)とMaaS領域それぞれに向けた自動運転システム(2)地図の自動生成(3)機械学習に用いるツールとインフラの開発」を挙げた。

トヨタグループがグローバルに行っているのと同様に、TRI-ADはスタートアップへの働きかけも積極的に行っている。2018年10月にレバノンで開かれた「Techcrunch MENA」でも講演し、そこで大きな刺激を受けたという。カレシー氏は「MENAで挙がる課題は、日本で悩んでいる課題とは異なるものだった。TRI-ADというグローバルカンパニーの中で、いつも同じ目線で見るのではなく、グローバルにどのような技術や人材がいるのか広く見て関わっていくべきだと考えている」と今後も積極的にスタートアップへ働きかけていく姿勢を示した。

自動地図生成のイメージ


自動運転に必要な技術を日・欧・米と連携し開発

衛星写真を活用した地図の自動生成技術


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