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トヨタ ガーディアンを他社向けに開発中 MaaSのフリート顧客拡大へ CES2019で発表 

2019/1/11(金)

トヨタが設立した研究所であるToyota Research Institute(以下TRI)は、現在ラスベガスで開催中のCES2019において、自動運転技術(高度安全運転支援)「Toyota Guardian」について説明を行った。
プレスカンファレンスの冒頭、センサー、3Dアニメーション、オンボードカメラなどを活用し、3台が関係するカリフォルニア州の高速道路での事故(幸い、けが人の発生はなし)を再現した。TRIのCEOで、トヨタ自動車のフェローでもあるギル・プラット氏(以下、プラット氏)は事故について、「事故のデータを実験車から取り出した際に、『将来のToyota Guardian™(高度安全運転支援)システム(以下、ガーディアン)を組み合わせれば、今回の事故の被害はもっと小さくできたか、あるいは避けることが出来ただろうか』と自問しました。そしてその答えは、Yesだと考えます」と話した。

ひとの安全を守るガーディアン・システム

約3年前の設立当初、TRIは自動運転技術の開発を二つのアプローチで行うことを表明した。あらゆる環境または限られた運行設計領域(operational design domain《ODD》)において、人間のドライバーを不要にする「ショーファー」。もう一つは、人間の能力を置き換えるのではなく増大させるという考え方で開発している、「ガーディアン」だ。「ガーディアン」は、人間が常にクルマをコントロールする前提で、事故が起こる前に、ドライバーによる操作と協調させながら正確な回避に繋げるというもの。

TRIの重要な技術ブレークスルーの一つが、ガーディアンが人間と機械の調和的な車両制御を作りだしたことだ。このシステムのヒントになったのは、現代の戦闘機の飛行制御方法である。戦闘機の操作はパイロットが直接、操縦桿を握って操作をしているわけではないが、パイロットの意思が1秒あたり何千回という単位でフライトコントロールシステムに変換され、機体を安定させ、特定の安全なエリアに戦闘機を維持している。自動車の場合、このような調和的制御を行うことは、車の動きだけでなく、衝突を回避しなければならないため、戦闘機に比べはるかに困難だ。差し迫った環境下における全ての物に対する認識技術・予測技術は、人間と機械がチームメイトとして、お互いの良い部分を引き出すシームレスな調和的システムなのだ。

ガーディアンは、他社の自動運転システムでも操作が可能な高度安全運転支援システムとして開発中だ。これこそが、ガーディアンのキーとなる能力。昨年のCESで豊田社長が発表したように、トヨタはガーディアンをe-Paletteに標準装備として組み込むことを計画している。これにより、MaaSのフリート顧客はどのような自動運転システムを使っても、トヨタのガーディアンを一種のフェイルセーフ、すなわちショーファー型自動運転システムの冗長システムとして使うことができる。

昨年TRIは、ガーディアンをより「賢く」することに注力してきた。クローズドのテストコースでは、一般路上では危険すぎて実験できない難しいケースを想定し、ガーディアンの知能や能力をより拡充している。具体的には実際の事故データから、非常に正確なシミュレーションを作りだし、車が一秒に満たない時間内で衝突回避の選択肢を引き出すための学習ツールにした。テストコースでは、実車と、柔らかな素材でできたダミー車両を活用して状況を再現した。この場合のガーディアンのもっとも望ましい判断は、安全に加速をし、近づいてくる車両から離れること。これは、ガーディアンが衝突を回避する一方で、他の車両にも同じ効果をもたらすケースでもある。つまり、「利他的(他の車も守ってくれる)ガーディアン」である。

自動運転:安全と自由なモビリティを支える

プラット氏は、より心を揺さぶるようなガーディアンの潜在能力について、「人間の基本的な欲求は子どもが両親の力を借りずに部屋中を歩き回るときにはじまる、純粋なモビリティの喜びです。これは体の延長のように走りを味わうドライブの喜びでもあります」と述べた。ハンドルを握り、道路から目線を離さないことは単に安全のためだけではなく、ドライバーが運転をしているとこの楽しみにつながる。

これは、安全技術の普及という、トヨタ/レクサスが約3年前に先駆けて表明した哲学でもある。3年前から、トヨタ/レクサスは衝突被害軽減自動ブレーキを米国で販売するほぼすべてのモデルに標準装備化を開始し、現在では完了している。プラットCEOは最後に、「自動運転のもっとも重要なメリットは、クルマの操作を自動化するということではなく、ヒトの安全と、自由なモビリティを支えるということなのです」と話した。

■トヨタのカンファレンスの様子



(次のページ:プラット氏のスピーチの参考抄訳)

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