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三菱自動車など6社 EVを再エネシステムVPPのリソースとしたV2G実証事業を開始

2019/6/6(木)

実証サイトの一例

三菱自動車工業株式会社、東京電力ホールディングス株式会社、東京電力エナジーパートナー株式会社、東京電力パワーグリッド株式会社、株式会社日立システムズパワーサービス、静岡ガス株式会社の6社は、経済産業省が一般社団法人環境共創イニシアチブを通じて公募する実証事業「平成31年度需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業費補助金(V2Gアグリゲーター事業)」にコンソーシアムで申請し、5月30日に採択され、6月3日から2020年2月17日までの間、国内5箇所の実証サイトにおいて、実証事業を行うと発表した。
近年、太陽光発電などの再生可能エネルギー(以下「再エネ」)による出力変動や余剰電力の発生など電力系統の安定運用に影響を及ぼす課題が顕在化しつつある。電力系統の安定化には発電所などによる調整が必要だが、発電設備を保有・維持するにはコストがかかる。
このような中、継続的な再エネ導入と電力系統安定化を低コストで両立する新たな仕組みとして、バーチャルパワープラント(以下「VPP」)の構築が進められている。

本実証事業では、EV/PHEVをVPPのリソースとして活用することで、継続的な再エネの導入と電力系統安定化の両立を目指す。2021年度以降には、電力系統とEV/PHEVの蓄電池との双方向間で電力需給調整を行うV2G事業(Vehicle to Grid)のビジネスモデルを構築し、事業化を検討する計画だ。

共同申請の6社は、2018年に実証事業を開始し、EV/PHEVと電力系統の間で双方向の電力融通を実現する実証環境を構築するとともに、電力系統安定化に寄与する有効性を確認した。今回は、EV/PHEVの台数を約40台追加(合計台数59台)し、国内最大規模の実証環境を整える予定。さらに、EV/PHEVのモビリティニーズを踏まえ、実証サイトに駐車しているEV/PHEVを、オンラインシステム上で同時制御することに挑戦する。

V2G実証事業の概要

実証内容

(1) 実証試験用のオンラインシステムの導入
2018年度に導入した実証試験用システムと、技術実証の中で整理した技術要件をもとに、実証サイトに駐車中のEV/PHEVを同時にV2G制御するオンラインシステムを構築する予定。

(2) リソースの拡充
2018年度の実証事業から42台のEVPS(EVパワー・ステーション)を追加導入し、国内最大規模のV2G実証環境を構築する予定。

<検討内容>

(1) 技術実証の検討
2018年度に引き続き、電力系統安定化に向けた検証を実施し、実証サイトのリソースを同時に制御する場合の課題などについて検討する。

技術検証項目の一例



(2) ビジネスモデルの検討
EV/PHEVのモビリティニーズ(自動車としての本来の用途)を踏まえたV2Gの実現方法について検討するとともに、EV/PHEV およびEVPS(EVパワー・ステーション)導入者から見たV2Gの活用メリットについて検討する予定。

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