三菱、日産ら、EV・PHEV向け充電調整実証実施 充電時間シフトを検証
2022/7/5(火)
MCリテールエナジー株式会社(以下、MCリテールエナジー)ら8社は、「ダイナミックプライシングの実用化に向けたEV・PHEV向け充電調整実証事業」を2022年6月9日から2023年2月17日まで実施する。6月30日付のプレスリリースで明かした。
将来のEV・PHEVの普及にともない、充電時間帯の集中による電力系統への負荷増大が懸念されている。同実証では、電力負荷の低減や平準化を目的とした、電力需給状況等に応じて電気料金が変動するダイナミックプライシングによる効率的な充電時間のシフトを検証する。ダイナミックプライシングの導入により、電動車を活用した効率的な電力システムの構築、再生可能エネルギーの拡大、調整力の確保、系統増強を回避することによる社会的コストの低減などにつなげることを目指す。
また、同実証は、経済産業省が公募し、一般社団法人環境共創イニシアチブから「令和4年度ダイナミックプライシングによる電動車の充電シフト実証事業」として採択されたものだ。MCリテールエナジー、五島市民電力株式会社、SBエナジー株式会社、シェルジャパン株式会社、株式会社REXEV、三菱自動車工業株式会社、日産自動車株式会社、三菱オートリース株式会社で実施する。
同実証では、MCリテールエナジーをリーダーとするコンソーシアムが2020年度から実施してきた実証に引き続き、協力事業者と共同でさらなるダイナミックプライシングにおける充電行動の変化の分析を行う。また、実証の対象エリアを令和3年度の東京電力、東北電力、中部電力、関西電力、四国電力各エリアに、新たに九州電力エリアを加えて拡大する。さらに、調整力活用を目指した放電制御やアプリケーションサービスを活用した充電遠隔制御によるユーザビリティ向上など、同実証の事業化に向けたサービス展開の検証を実施予定だ。
具体的には、充電対象日の前日に、実証に協力するユーザー(モニター)にメール、または「EV充電シフト実証」LINE公式アカウントから通知する。連絡する内容は、日本卸電力取引所(JEPX)の電力量単価で最も安い時間帯の4時間だ。通知された対象時間帯にEV・PHEVを充電することで、参加モニターの充電電力量料金が無料になる。
また、同実証では、一部の車両を対象に、アプリによる遠隔制御サービス提供の仕組み作り検討や、新たに需給調整市場(調整力三次2)に連動し放電してもらう。参加したユーザーへは、PayPayポイントの付与を実施し、将来的にEVを活用した調整力の仮想取引の実現性を検証する予定だ。