富士通、EV配達車の運行・充電データ等よりCO2排出量15%削減確認
2022/11/7(月)
富士通株式会社(以下、富士通)は、World Business Council for Sustainable Development (持続可能な開発のための世界経済人会議 以下、WBCSD)で、フリート事業者※1 のEV充電によるCO2排出量を15%削減できることを確認した。10月26日付のプレスリリースで明かしている。
※1 運送、自動車、航空などの輸送サービスを展開する企業、団体。(プレスリリースより)
ネットゼロ※2 達成に向けて、欧州では車両のEV化が進んでいるが、EVの充電は電力網への負担がかかる。そのため、交通やエネルギーといった分野を超えたアプローチが必要だ。※2 温室効果ガスの排出が正味ゼロ(プレスリリースより)
今回の検証は、同社の「Fleet Management Optimization(以下、FMO)」を活用し、オランダのコンサルティング会社Arcadis、およびイギリスの電力会社National Gridと共同で実施した。目的は、脱炭素交通の実現だ。具体的には、食品、飲料品などのEV配達車の運行・充電データと、電力のグリーン度を表すカーボンインテンシティ(単位あたりのCO2排出量)などのオープンデータを、同社のFMOにより掛け合わせ、分析を行った。さらに、グリーン電力(風力・太陽光発電など) が豊富な時間帯にEVを充電できるようサポートしている。その結果、フリート事業者のEV充電によるCO2排出量を15%削減し、交通業界、エネルギー業界におけるネットゼロ実現に貢献できることを確認した。
また、WBCSDは、「WBCSD Council Meeting Tokyo 2022」を10月25日~28日に東京で開催する。同社は、今回の検証の内容を、10月27日のブレークアウトセッションで発表する予定だ。
なお、同社は、人や物、経済、社会の相互作用をデジタルに再現し、社会の実態を把握する。これにより、多様で複雑化する課題の解決に向けた施策立案などを支援するソーシャルデジタルツインの研究開発に取り組む。今後は、都市レベルでの事前検証を実行することにより、ネットゼロ達成に向けた取り組みを進めていくという。
さらに、同社は、今回のフリート事業者や物流業者向けの取り組みだけでなく、人の移動を支える交通サービス事業者への展開も視野に入れて、さらなるCO2排出量削減と物流・交通サービス領域全体の最適化に向けて取り組んでいくと述べている。