阪急電鉄、回生電力貯蔵装置を阪急宝塚線・石橋変電所で運用開始
2025/4/22(火)
阪急電鉄は4月9日、阪急宝塚線・石橋変電所において、同社初の「回生電力貯蔵装置」の運用開始を発表した。
省エネルギー性能の高い電車は、減速時に発生する運動エネルギーを、モーターの特性を活かして電気エネルギーに変換することができる。こうして生み出された電力を「回生電力」と呼び、架線を通じて、他の電車を走行させる電力として再利用している。
しかし、同時に多くの電車が減速するタイミングなどにおいては、回生電力が余剰となり再利用できない場合がある。「回生電力貯蔵装置」を導入することにより、余剰となった回生電力を一時的に貯蔵し、電力が必要となるタイミングで再利用することで、エネルギーを有効活用することができるという。
また、同装置は停電時の電力供給機能も備えており、複数の変電所が同時に停電した場合に、電車に本装置の電力を供給して最寄り駅まで走行し、利用者に安全に降車してもらえるようにする運用も検討しているとのことだ。なお、阪急電鉄は、今後も他の変電所にも同装置の導入を進めること等により、脱炭素社会の実現に向けて取り組んでいくと述べている。