日立とJR東日本、運行管理等におけるAIエージェントの共同検証に合意
2025/6/12(木)
日立製作所は6月10日、東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)と、首都圏の鉄道運行管理・保守業務におけるAIエージェントの効果測定を目的とした共同検証合意を発表した。2025年9月頃より実施するという。
今回取り組むのは、東京圏輸送管理システム(以下、ATOS)における、鉄道運行管理に特化した大規模言語モデル(以下、LLM)の構築だ。熟練者の思考プロセスを再現した故障対応シナリオに基づくAIエージェントも開発し、LLMと組み合わせることで、故障個所の特定や対応方針の提案を自動的に行い、指令員の判断を支援できるかどうかを検証する。
具体的には、ATOSにおいて、複数の拠点で連動して稼働している複数の機器の一つに障害が発生した状況など、具体的な障害発生を想定して検証を行う。そのような障害発生時の業務シナリオにおいて、両社の知識を融合したAIエージェントを適用したプログラムを活用することで、指令員の対応工数や時間が削減できるかどうかを検証するという。
なお、日立は、今後共同検証で得られるデータや知見を詳細に分析し、JR東日本の鉄道システム有識者や日立の技術者が有する判断基準といった暗黙知も組み込むことで、AIエージェントの精度をさらに向上させていく予定だと述べている。