日立、ADASなどの自動車用ソフトウエア開発効率化を支援する技術開発
2023/11/27(月)
株式会社日立製作所(以下、日立)は11月21日、自動車メーカーや車載器ベンダー向けに、生成AIを活用し、自動車用のソフトウエア開発の効率化を支援する技術開発を発表した。
同技術は、生成AIを用いて、車載カメラの映像から、交通状況に関する高精度な説明文を自動生成するものだ。日立の自動車分野の豊富なナレッジを応用した独自のプロンプト※1により実現している。※1 ユーザーがAIに対して入力する指示文や質問文(プレスリリースより)
同技術の特長は、ADASや自動運転などのソフトウエア開発に必要な映像データを、自動生成した映像の説明文を基に必要なシーンを自然言語で瞬時に検索できるようになる点だ。さらに、それらのデータと車両の走行データなどを紐づけることで、開発の期間短縮やコスト低減に貢献する。また、同技術により、車載カメラの映像に対して、交通状況に関する高精度な説明文を自動生成できるようになる。これにより、自然言語を用いた検索が可能になり、映像抽出時間を大幅短縮を期待できる。具体的には、「横断歩道を歩行者が渡っています」などの説明文を自動生成することで、自然言語を用いた検索が可能になるため、映像から必要なシーンを抽出する時間を大幅に短縮できる。
ほかにも、同技術では、「走行データとの紐づけによる作業効率のさらなる向上」や「分析に利用するデータの品質均一化実現」も可能だ。走行データとの紐づけでは、交通状況を説明する文章と映像データに、車両の走行データを紐づけることで、ソフトウエア開発者や評価者の作業効率のさらなる向上が図ることができる。一方、データの品質均一化では、生成AIを用いて文章を作成することで、均一な品質のデータを準備。これにより、データの利用頻度、再利用性を向上させ、効率的なデータの利活用を促進するという。
なお、日立は、今後2024年9月までに、自動車メーカーおよび車載器ベンダー向けに本技術を組み込んだクラウドソリューションの実用化をめざすとともに、他業種での本技術の活用も検討していくという。また、これまで培ってきたOTAソフトウエア更新技術や車両の制御に利用されるデータの分析技術などと合わせて、SDV※2時代の進展に貢献していくと述べている。
※2 Software Defined Vehicle:車と外部との間の双方向通信機能を使って車を制御するソフトウエアを更新し、販売後も機能を増やしたり性能を高めたりできる自動車のこと(プレスリリースより)
(出典:日立 Webサイトより)