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日立オートモティブシステムズ、クルマが見て、考える、自動運転の実現を

2019/10/31(木)

山足公也エグゼクティブオフィサーCTO兼技術開発統括本部長

10月24日~11月4日にかけて行われた東京モーターショー。日立オートモティブシステムズ株式会社(以下、日立オートモティブシステムズ)は、「Moving Forward! 持続可能な社会の実現に向けて、クルマのイノベーションを加速する」をテーマに、電動化、自動化、コネクテッドに対応する先進技術を紹介した。
日立グループはITセクター・エネルギーセクター・インダストリーセクター・モビリティセクター・ライフセクターの5つのセクターで事業を展開。オートモティブシステム事業は人々のQOLの向上を目指すライフセクターに位置づけられ、全体の売り上げの約9%を占める。

オートモティブシステム事業の中に属する日立オートモティブシステムズでは、4月よりソフトウェア事業部、パワートレイン&セーフティシステム事業部、シャシー事業部を新設。製品分野軸の事業部とADASやEVなどの各ビジネスユニットがグローバルに事業責任を担う体制となった。プレスブリーフィングにおいて、山足公也エグゼクティブオフィサーCTO兼技術開発統括本部長(以下、山足氏)は、これらの体制を軸に、「電動化、自動運転、コネクテッドの3つをソリューション強化に向け、柱となるパワートレイン、シャシー、ADASを展開し、日立製作所とともに社会イノベーション事業の発展を加速していく」と述べた。

電動パワートレインでは、電動車両の駆動を支えるモーターやインバーターの環境性能と走行性能を最大化する製品を展開。エンジンパワートレインシステムでは、インジェクターや電動VTCなど、高効率かつ低燃費で動力を伝えることに注力している。ADASでは自動運転の認知を司るステレオカメラや判断を担う自動運転ECUなどを進化させ、「クルマが見て、考える安全安心な自動運転の実現を目指す」(山足氏)。シャシーシステムでは、電動パワーステアリングやセミアクティブサスペンションなどのアクチュエータとともに、自動運転の制御を支え、車両運動を統合制御するシステムとして強化を図っていく。コネクテッドソリューションでは、コネクテッドサービスに対応したゲートウェイなどの車載機器と日立のIoTプラットフォーム「LUMADA」を活用したセンターサービスをソリューションとして提供していくという。

ブース展示では、電動車システム・自動運転システム・先進システム技術・VRシアターの、4つのコーナーを設置。自動運転システムコーナーでは、ステレオカメラなどのセンシング技術やECUなどの電子制御技術を、電動パワーステアリングなどのシャシー技術と融合させて安全統合制御する自動運転システムを紹介。電動車システムコーナーでは、小型・高トルク、静音化が特長のモーターや、高出力密度のインバーター、高効率エンジン燃焼制御システムなどの製品を展示した。自動運転技術を体感できる8人乗りのVRシアターでは、突発的な状況変化でも車両姿勢の乱れを制御するコントローラーとシャシーによる連携技術を披露した。

先進システム技術コーナーでは、人口知能が搭載可能なECUや夜間の歩行者検知機能を備えたステレオカメラを展示。日立オートモティブシステムズと本田技研工業株式会社(以下、本田技研工業)との合弁会社である日立オートモティブ電動機システムズ社の電動車両向けモーターも紹介された。分布巻きの特徴を生かし、2スロットから4スロットにコイルを分散。振動や騒音の元となるトルクリップルが低減されていることが特長だ。日立と本田技研工業の知見を合わせて開発された製品で、11月より量産される。日立オートモティブ電動機システムズ社はグローバル規模での製品展開を進めており、今後は電動車両用モーターを2020年内に中国、2022年に米国で生産する予定だ。

山足氏は「日立グループは電動化、自動化、コネクテッドなどのメガトレンドに対して、ワンストップで提供できる」と強調。今後もグループの優位性を生かした製品を展開していく。

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