ホンダら4社、個人所有EVを活用したV2G実証を開始 複数台制御で電力市場取引へ
2025/12/25(木)
本田技研工業株式会社(以下、Honda)、MCリテールエナジー株式会社、住友電気工業株式会社、ALTNAソリューションズ株式会社の4社は、2025年12月より、個人所有の電気自動車(EV)を活用したV2G(Vehicle to Grid)の実証実験を開始した。本取り組みは東京都の「GX関連産業創出へ向けた早期社会実装化支援事業」の一環であり、EVに蓄えた電力を家庭だけでなく地域の電力ネットワークへ供給し、その実用性と事業性を検証する。
再生可能エネルギーの有効活用には、電力需給の調整力が不可欠であり、EVのバッテリー活用に期待が集まっている。しかし、個人所有のEVはユーザーごとに利用時間が異なるため、安定的に電力を供給するV2Gのインフラとしては運用が難しいという課題があった。
そこで4社は、利用時間がバラバラなEVを複数台束ねて(アグリゲーション)一括制御することで、安定的な充放電を実現する新たな運用スキームの確立を目指す。
実証では、Hondaの充給電制御技術と、住友電工・MCリテールエナジーのシステムを連携させる。ユーザーが専用アプリでEVの使用予定時間を入力すると、未使用時間に自動で充放電計画が作成される仕組みだ。
この計画に基づき、システムが複数台のEVを制御し、卸電力市場での実際の取引や、需給調整市場への仮想的な入札を行う。
計画通りに充放電が行われた場合、市場取引で得られた報酬の一部がユーザーに還元される。これにより、EVユーザーは車両の維持コスト(TCO)を低減でき、より経済的にEVライフを送ることが可能となる。
各社の役割として、Hondaはリソースアグリゲータ(RA)としてEV制御とアプリ提供を担い、MCリテールエナジーはアグリゲーションコーディネーター(AC)として電力市場との取引を、住友電工はシステム構築を、ALTNAは事業性検証を担当する。
4社は本実証で得られるデータを分析し、将来的にはカーボンニュートラル社会に資するEVユーザー向け電力プランの提供を目指すとしている。







