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法政大学ら、poimoのコントローラーとモビリティの試作機開発

2022/8/15(月)

poimo

法政大学は、poimo(ポイモ)のクッション型のやわらかいコントローラ(操縦装置)と、安定した乗車が可能なソファ型モビリティの実用化に向けた試作機を開発した。8月3日付のプレスリリースで明かしている。

電動のキックボードや自動搬送ロボット、デザイン性に優れた電動車いすなど、超小型の新しいモビリティが注目されている。個人で利用することからパーソナルモビリティとも呼ばれるこれらの乗り物は、現在各地で実証実験が進められており、多様な交通手段のひとつとして法的にも認められつつある。一方で、パーソナルモビリティには、乗り心地の良さ・安全性・収納性・ユーザーの嗜好に合わせたカスタマイズ性などには改善の余地がある。

poimoは、独自の風船構造を持ち、軽量でさまざまな形状を実現可能なパーソナルモビリティだ。法政大学デザイン工学部 Seong Young ah客員准教授、明治大学理工学部 新山龍馬専任講師、宮城大学事業構想学群 佐藤宏樹准教授、東京大学大学院工学系研究科 鳴海紘也特任講師、川原圭博教授、東京大学大学院情報学環 筧康明教授、株式会社メルカリmercari R4D山村亮介氏らの研究グループが開発に関わっている。




法政大学らはこれまで、スクーター型やスポーツバイク型のpoimoを試作している。検証してきた内容は、リュックサックに入れられる形状から乗り物として十分な体積まで形状変化が可能であること、個々のユーザーに合わせてカスタマイズとオーダーメイドが可能であることだ。同時に、より多くの人に使ってもらうために、多様な人が安全に、安定して乗れる新しい形と操縦方式を探ってきた。

新しいpoimoは、4輪を備えた安定性の高いソファ型となっており、旧型poimoのようにバランスをとる必要がなく、誰でも簡単に乗ることができる。さらに、電動車いす用の駆動モジュールを採用することで、可搬重量や登坂性能、走行時間を改善した。

また、直感的な操縦を可能にするため、柔軟材料によるセンシング技術を活用したクッション型コントローラを開発した。クッションの両端を同時に握ることで直進、左右どちらかを握ることでそれぞれ左右に旋回できる。クッション型コントローラは、手で握るだけではなく、ネックピローとして首を預け、頭を傾けた方に車体を動かすというような使い方も可能だ。やわらかい操縦装置は、ぶつかっても人間を傷つけないという特徴もある。

さらに、法政大学らは、poimoの社会実装を進めるために、野外での走行実験を実施した。予備実験として、東京ポートシティ竹芝と鹿島スタジアムにおいて試乗会を実施し、幅広い年齢層の約200名の参加者が試乗している。この予備実験により、一般ユーザーでもすぐにpoimoを操作できることを実証した。

次に、より現実的な環境での検証を行うために、ハウステンボス(ヨーロッパ・オランダの伝統的な石畳のあるテーマパーク)でも走行実験を行った。この実験では、開発者らが約48時間にわたってpoimoに乗り、凹凸のある不整地路面でも快適に走行できることを確認している。

なお、poimoの設計、新たな制御手法および実証実験に関する報告と展示は、カナダ・バンクーバーで8月9日~8月11日に開催された国際会議SIGGRAPH 2022 Emerging Technologiesにて行われた。法政大学らは、今後、さらなる実証実験とユーザーからのフィードバックを基に、操作性・信頼性・安全性などを向上させていくと述べている。



(出典:法政大学 Webサイトより)

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