現代自動車とINEOSが覚書署名、水素の生産や新しい利用法などを模索
2020/12/8(火)
韓国の現代自動車(以下、現代)は11月23日、イギリスに本社を置く化学メーカーであるINEOSと、水素の生産・供給・新しい利用法などを模索するための覚書(Memorandum of Understanding:MoU)への署名を発表した。
INEOSは11月9日、ヨーロッパ全体で必要な水素量を満たす開発や、それを用いた新しいビジネスを開始すると発表した。INEOSは、化学製造事業の副産物として年間30万トンの水素を生産する。また、子会社のINOVYNは、ヨーロッパ最大の電気分解事業者だ。現代とINEOSは、今回の覚書著名により、水素を生産・供給する機運、および水素の利用法と技術の世界的な展開を共同で調査する。当面の目標は、ヨーロッパでのバリュー・チェーンの開発に焦点を当てた公共・民間部門のプロジェクト促進だ。
また、今回の覚書には、6月にINEOSが発表した新車両・INEOS Grenadier4x4に用いるための現代独自の燃料電池システムの評価も含まれる。燃料電池システムの評価には、現代の車両であるNEXO SUVを使用する。
現代自動車のキム・セフン(Saehoon Kim)副社長兼燃料電池セクター責任者は以下のように述べている。
「現代は、今回の著名により幅広いセクターにわたって、重要な低炭素オプションを提供すると信じている。また、水素燃料電池に関する数十年にわたる専門知識が、化学分野におけるINEOSの専門知識と相乗効果を発揮して、Grenadier向けのグリーン水素および燃料電池の大量生産を実現することを願っている」
なお、現代自動車は2018年に中長期的なロードマップFuel Cell Vision2030を発表した。この発表によると現代自動車は、燃料電池システムの年間生産能力を2030年までに70万台に増やす方針だ。
(出典:現代自動車 Webサイト、およびINEOS Webサイトより)