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岩根研究所 画像から作る3Dマップの可能性

2017/10/27(金)


――日本の自動運転走行ではダイナミックマップの使用が検討されていますがどうお考えですか?

現状のダイナミックマップは世の中の全てをCGで作っているので、莫大な費用がかかります。更新にもお金がかかるし、無理があります。弊社のシステムを使えば、お金をかけなくても3Dマップを作成することができます。ダイナミックマップという世の中の流れは動かせないので、できるだけ可能性を追求していきたいと思っています。

 


 

――海外で実績があるとお伺いしています。具体的に教えてください。

香港では道路管理・交通管理を目的とした測量を行っています。現在は、ほぼ全州の6500キロメートルを取り終えた段階で、香港政府へデータを提供しています。香港は日本と違って土地局が交通省の位置づけで、空間情報をトータル管理しています。土地局によってこの測量データを香港全土でオープンにしていこうという話があります。そのため、プライベートな情報はぼかしています。政府が委託した会社が撮影して、データを弊社のタイ支社に送って画像処理しています。政府が管理している歩道やパーキングエリア、ポール、中央分離帯などがデータベース化されています。統計処理や、エリア抜き出しも地図から行っています。

また、タイでは地方道路のデータベースを作りました。37000キロメートルの映像があり、全てクラウドで更新しています。タイには危険箇所と言われる場所が非常に多いです。危険箇所は半自動で絞り込み、最終的に手当てが必要な箇所は人間が判断します。画像方式だとテストコースが不要で、画像の中でシミュレーションができるので非常に安上がりです。

 

――今後について、教えてください。

ユーザーからの視点でいうと、ラストワンマイルにニーズがあると思っています。どこかの企業と組んで、クルマを提供してもらうことができれば実験をしたいと考えています。また、測量システムは専用車両に固定されておらず、ばらして運べます。ドローンに付けて空撮し、地上と融合させて3次元空間をもっと有効なデータにしていくことも考えています。衛星がないトンネルや部屋の中でもデータが取れるので、工場内作業車にも生かせると考えています。ライダーに精度は負けていないので、是非、画像の可能性を感じていただきたいと思っています。

簡単でコストがかからず、スピーディーに作ることができる3Dマップ。将来的にはダイナミックマップの補助的な位置づけで、自動運転の一助となるかもしれません。工場内やキャンパス内、ルートが決まった公共交通など、一定範囲のルートマップとして、取り入れやすい地図なのではないでしょうか。

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