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ホンダが描くモビリティの未来 自動運転からバッテリーシステムまで多彩に【JMS2023】

2023/11/2(木)

ホンダはジャパンモビリティショー2023で「Honda DREAM LOOP」をテーマに掲げ、GMクルーズと開発を進める自動運転タクシーや、資源の循環利用を意識したコンセプトカーなどを展示。さらに、交換式バッテリーを採用した小型EVや商用バンなど、多数のモビリティと関連技術の紹介を行った。

時間の制約から解放する自動運転モビリティ「クルーズ・オリジン」

数あるモビリティの中から、ホンダの三部敏宏社長(以下、三部社長)が初めに紹介したのは、今年9月に試作車の完成が発表された自動運転タクシー「クルーズ・オリジン」だ。

クルーズ・オリジンの車両1


運転席を排し、対面で最大6人が座れる空間を確保。三部社長は「車内が完全なプライベート空間になるため、移動中に打ち合わせをしたり、周囲に気兼ねせず家族で何かを楽しみながら移動したりと、移動時間を自由に使うことができる」と語った。



2026年初頭には、クルーズ・オリジンを使った自動運転タクシーサービスを日本で開始する予定。現在はGMの「Bolt(ボルト) EV」をベースにした車両を用いて栃木県でテスト走行を行っている段階で、今後は都内での走行テストや、クルーズ・オリジンの実車両を使用した実証実験も検討しているという。

限りある資源の制約から解放「SUSTAINA-C Concept」

環境面を意識したモビリティとして提案したのが「SUSTAINA-C Concept」だ。一度使ったアクリル樹脂を回収し、再利用して作られたモビリティである点が特徴に挙げられる。



三部社長は、金属や樹脂などモビリティに用いられるさまざまな材料について、「素材や資源には限りがあり、今のような作り方、リサイクルだけでは、将来モビリティを作り続けていくことが難しくなる」と指摘。

今回発表した「SUSTAINA-C Concept」のように、資源の循環利用(リソースサーキュレーション)を推進することによって、「地球環境の保護と自由な移動の喜びを、将来にわたって両立できる」(三部社長)とした。

ホンダ 三部敏宏社長

ホンダ 三部敏宏社長



人の生活圏を拡張する自動運転マイクロモビリティ

「ラストワンマイルを誰でも手軽に自由に移動できるモビリティ」として紹介されたのが、二人乗りの電動モビリティ「Honda CI-MEV(シーアイ・エムイーブイ)」だ。ホンダ独自の自動運転技術を搭載し、地図に依存せずカメラの映像をもとに走行することができる。



また、Honda CI-MEVはシート後部にバッテリーの格納場所を配置。着脱式のバッテリーを採用しており、交換しやすい点が特徴の一つだ。航続距離は70km程度を想定しているという。



電動モビリティ向けに「モバイルパワーパック」の活用を拡大

今回展示されたモビリティに多く採用されていたのが、着脱式バッテリー「Honda Mobile Power Pack(以下、モバイルパワーパック)」だ。これまで海外市場でスクーターやオートリキシャ(自動三輪車)向けにサービス実証を進め、国内でもモバイルパワーパックを搭載した「BENLY e:」がすでに日本郵便で採用されている。




小型モビリティをはじめとした四輪車両向けにも、モバイルパワーパックを活用する取り組みは進んでおり、前述したHonda CI-MEVもこのバッテリーを動力として採用している。さらに具体的な取り組みとして進行しているのが、今回展示された「MEV-VAN Concept」だ。ヤマト運輸との実証実験で用いられるこの車両は、モバイルパワーパック8本を搭載した電動パワーユニットで走行し、航続距離は50~70kmを想定しているという。



11月から始まるヤマト運輸との実証実験では、日中に太陽光で発電した再生可能エネルギーでモバイルパワーパックを充電し、充電による待機時間の削減や電力使用ピークの緩和など、効率的なエネルギーマネジメントを検証する。モバイルパワーパックの運用に関する基礎データの取得・分析も行う方針だ。

未来のモビリティに関する展示を多数展開

そのほか、特設Webサイトでは「自身の夢見るモビリティ」を入力すると、AIが「夢の設計図」の画像を生成する企画も実施。スポーツモデル「PRELUDE Concept」など、未来のモビリティに関する展示も多数行った。

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