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JR東日本、日本初の「荷物専用新幹線」を2026年3月運行開始 盛岡―東京間でE3系1編成をフル活用

2025/12/11(木)

東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)は2025年12月9日、列車荷物輸送サービス「はこビュン」の事業拡大を発表した。その中核として、日本初となる新幹線1編成の全車両を荷物専用に改造した車両の運行を、2026年3月23日より開始する。盛岡新幹線車両センターと東京新幹線車両センター間を結び、物流業界の人手不足解消や地域経済の活性化を目指す。

JR東日本はこれまで、新幹線の空きスペースや一部車両を活用した荷物輸送を行ってきたが、今回の取り組みではE3系新幹線((7両編成)1本を丸ごと専用車両へ改造する。

客室内の座席を全て撤去し、床面をフラット化することで、カゴ台車のまま荷物を積載できる仕様とした。これにより、一度に最大約17.4トン(1,000箱程度)の大量輸送が可能となる。また、荷物の積み下ろしを行う車両センター内にはAGV(無人搬送車)を導入し、スロープや狭小ルートの自動搬送を実現することで、業務効率化と省人化を図る。

運行は平日の定期便として計画されており、正午前に盛岡を出発し、16時頃に東京へ到着するダイヤを予定している。これにより、地方の新鮮な農水産物や製造品を、その日のうちに首都圏へ届ける高速物流ネットワークが強化される。
 
さらに同社は、他事業者との連携も加速させる。JALグループと連携した「JAL de はこビュン」では、新幹線と航空機を組み合わせ、シンガポールや香港など海外へのワンストップ輸送サービスを2026年1月中旬より開始する予定だ。また、日本郵政グループとの協業による物流ネットワークの再構築も進める。

JR東日本は、「勇翔2034」で掲げるライフスタイル・トランスフォーメーション(LX)の一環として、鉄道の速達性とネットワークを活かした新たな物流インフラを構築し、社会課題の解決と地方創生に貢献していく方針だ。

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