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JR九州・第一交通・西鉄、デジタル活用のモビリティサービス構築へ

2021/10/8(金)

九州旅客鉄道株式会社(以下、JR九州)、第一交通産業株式会社(以下、第一交通)、西日本鉄道株式会社(以下、西鉄)は、デジタルを活用したモビリティサービスの構築に関する覚書を締結した。10月6日付のプレスリリースで明かしている。

交通事業の経営環境は、少子高齢化の進展・人口減少といった恒常的な社会課題を抱えている。さらに、新型コロナウイルスの感染症拡大による公共交通の利用減少により、非常に厳しい状況だ。

加えて、デジタル技術の進歩、モビリティの技術革新などは、今後の交通事業に大きな影響を与える可能性が高い。そのため、事業者も、既存のあり方に捉われない大きな変革が求められている。

モビリティサービス構築の目的は、社会変革への対応、シームレスで利便性の高い交通ネットワークの実現だ。デジタル技術の活用を3社で連携して検討していく。既に各社では、ICTを活用して複数の交通手段を連携させ、予約・決済まで行うMaaSの活用に取り組んでいる。JR九州と第一交通は2019年5月30日より、移動サービスの実現に向けた提携を行っているところだ。



今回の協業では、3社のデジタル資源を活用したより良い地域交通ネットワークの構築に連携して取り組む。具体的には、地域や観光地における移動の利便性向上や既存公共交通機関の有効活用、高齢者の外出機会の確保、スマートシティの実現などだ。

今回の連携では、3社が強固な地盤を持つ北九州市を中心に展開し、デジタルチケットを販売する。同チケットは、北九州市の観光施設を楽しめる周遊パスポート、JR九州の列車・西鉄バスの乗車券、第一交通タクシーの特典クーポンをセットにしたものだ。北九州市の支援・協力を受け、実施する。

また、高齢者を対象として第一交通タクシーを活用したJR九州・西鉄の運営する商業施設へのお買物支援サービスを展開する。なお、3社は、今後も連携・協力により、ユーザー目線でのシームレスで利便性の高い交通ネットワークの実現や、地域の活力向上に、貢献すると述べている。



▼デジタル分野での協業にかかる各社社長によるコメント
■JR九州 代表取締役社長執行役員 青柳 俊彦氏のコメント

当社は、2019年5月に第一交通産業様と、そして2019年9月に西日本鉄道様と輸送サービスの連携に関する覚書を締結し、乗り継ぎ利便性の向上やMaaSの導入など公共交通の活性化に連携して取り組んで参りました。今回、3社連携にその枠組みが広がり、デジタルを活用したシームレスで利便性の高いモビリティサービスの実現に向け一緒に取り組むことになりました。異なる交通サービスを提供する3社による連携は、更なるシナジーを生み出すものと期待しています。共に地域貢献を志す3社が協調し、地域が抱えている課題の解決の一助となれるよう、しっかりと取り組んで参りたいと思います。

■第一交通産業 代表取締役社長 田中 亮一郎氏のコメント

今般の3社でのデジタル連携については、MaaS等の分野での交通モードを繋げる取り組みに留まらず、各社が展開するサービス内容もDX化を見据えて幅広く連携し、多くのユーザーにとってシームレスで利便性の高い交通ネットワークとなる事を目指します。また、当社がかねてより地域の活性化を目指して全国展開している「No1タクシーネットワーク」というタクシー会社間のネットワークへも連携を繋げる事で、今後の展開において幅広いエリアで、タクシー業界として社会貢献出来る事を確信しております。

■西鉄 代表取締役社長執行役員 林田 浩一氏のコメント

少子高齢化や人口減少の進展、コロナ禍を経た働き方の変化に伴う移動減少などの影響で、今後、地域の持続可能な交通の確保がこれまで以上に大きな課題となることは明白です。今回の九州旅客鉄道様、第一交通産業様との連携を契機として、会社の枠組みを超え、鉄道・バス・タクシーといった多モードにわたる交通機関の連携を、デジタルを活用して解決する手法をお客さまにご提案しながら、持続可能な公共交通体系の確立、利便性向上につなげてまいります。

(出典:JR九州 Webサイトより)

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