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東大と三井不動産、EVへの走行中ワイヤレス給電の実証実験成功

2021/10/13(水)

走行中ワイヤレス給電の
実証実験の様子

東京大学大学院新領域創成科学研究科 藤本・清水研究室(以下、東京大学)は、電気自動車(EV)への走行中ワイヤレス給電の実証実験に成功した。10月8日付のプレスリリースで明かしている。
日本のCO2排出量(11億800万トン)のうち、自動車からの排出量は16%(1億7728万トン)だ。欧州では、自動車に関わるCO2排出量をさらに厳しく制限する規制が、今後予定されている。その動向を踏まえて、世界中の自動車メーカーが、車両の電動化(EV化)の開発・普及を推進している。そのため、近い将来にバッテリーの供給不足が懸念されている。

同実証実験は、三井不動産株式会社(以下、三井不動産)との研究プロジェクトだ。三井不動産が2021年6月15日にオープンした屋外ロボット開発検証拠点KOIL MOBILITY FIELDにて実証実験を行っている。KOIL MOBILITY FIELDは、柏の葉スマートシティ「イノベーションキャンパス地区」にオープンした開発検証フィールドだ。

同プロジェクトの目的は、CO2の排出を抑制する「低炭素社会」を構築するための、全く新しい概念や科学に基づいた革新的な技術の創出だ。走行・停車中に路面から給電することで、より少ないバッテリー搭載量でEVの航続距離を確保可能にする技術を開発する。これにより、バッテリーの供給不足の懸念を払拭するとともにEVの軽量化、バッテリー製造および走行によって排出されるCO2の大幅な削減を図る。

また、東京大学は、EVへの走行中ワイヤレス給電の実用化に向けて、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)未来社会創造事業の研究プロジェクト「電気自動車への走行中直接給電が拓く未来社会」を推進している。

同プロジェクトは、東京大学藤本博志教授らの研究グループが提案し、JSTが「地球規模課題である低炭素社会の実現」領域の研究テーマとして2017年10月に探索研究として採択した。2021年6月には本格研究に移行し、日本初の公道での走行中給電の実証実験を目指し、研究を推進している。三井不動産は、同プロジェクトにおいて、2021年10月より共同研究機関となった。これにより、連携をさらに強化する。

なお、東京大学と三井不動産は、今回の連携により研究開発を促進し、早期の公道実証を目指す。そして、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献すると述べている。

KOIL MOBILITY FIELD
外観写真


(出典:東京大学 Webサイトより)

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