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ヤマハと千葉大が共同研究 低速モビリティの移動が健康に寄与するか検証

2021/10/13(水)

ランドカー

ヤマハ発動機株式会社(以下、ヤマハ)は、千葉大学予防医学センター(近藤克則教授)と共同研究に関する契約を締結した。10月11日付のプレスリリースで明かしている。契約の目的は、低速モビリティによる移動が健康に寄与するかの検証だ。

交通空白地帯における交通課題は、高齢者のクオリティオブライフの低下やそれに伴う社会保障費の増加を招いている。今回の共同研究では、このような社会課題へのソリューション提供の一環として、電動カート導入により高齢者の外出、および社会参画を促す。これらの促進により、介護予防や健康増進効果の関係の明確化を目指す。

千葉大学・近藤教授は、高齢者の社会参加が健康寿命の延伸につながることを検証している。さらに、活き活きした高齢世代が社会参加するような活力ある社会の構築の必要性を長年提唱している。

また、国土交通省は、「グリーンスローモビリティ」を高齢者の足の確保や観光客の周遊に資する「新たなモビリティ」として定義している。そして、同省は、同モビリティの活用検討に向けた実証調査支援事業を実施している。



今回の共同研究では、ヤマハのグリーンスローモビリティを試験的に導入する。これにより、高齢者の外出、社会参加をどの程度促すかを検証。そして、健康や介護予防に関する各種指標がどう改善したかを検証する。

実証実験は、大阪府河内長野市(南花台地区)、千葉県松戸市(河原塚地区と小金原地区)が協力し、2021年10月から12月まで実施する予定だ。なお、ヤマハは、メーカーとしてのモノづくりの強みを生かすという。そして、高齢者の介護予防分野で高い見識を持つ千葉大予防医学センターとの協業を通じて、よりよい社会の実現を目指すと述べている。

■千葉大予防医学センター 近藤 克則教授のコメント

これまでに、高齢者の社会参加が健康寿命の延伸につながることを検証してきました。その中で、移動の足がないことが社会参加の障害になっていることがわかっています。これを解消する手立てとして、各自治体におけるグリーンスローモビリティの実装に期待しています。

■ヤマハ 技術・研究本部研究開発統括部長 飯田 実氏のコメント

今まで当社が参画した約50カ所にのぼる公道実証・実装を通して、グリーンスローモビリティを利用した高齢者の方が笑顔になると感じていました。高齢者にとって、移動の自由は”クオリティオブライフ”上の重要な要素です。健康と社会参画のきっかけとなりうるグリーンスローモビリティの可能性を今回の実証で確認することで、今後のさらなる利用の広がりに期待しています。

過去の研究成果の事例



(出典:ヤマハ Webサイトより)

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