再エネ導入拡大にEVを「走る蓄電池」として活用 REXEVが京セラらと小田原で事業開始
2020/9/10(木)
株式会社REXEV(レクシヴ)は、京セラ株式会社、株式会社A.L.I. Technologiesらの3社で、再生可能エネルギーを活用した地域マイクログリッドの構築を目指すと発表した。同事業は、経済産業省の令和2年度「地域の系統線を活用したエネルギー面的利用事業(地域マイクログリッド構築事業)」に採択されたもの。
今回採択を受けた3社に加え、神奈川県小田原市、湘南電力株式会社とコンソーシアムを立上げて取り組みを進める。持続可能な地域社会の構築に向け再生可能エネルギーの導入拡大を官民連携して推進する小田原市において、太陽光発電による再生可能エネルギーや各種調整力(蓄電池、EV、調整力ユニット)を最大限に活用した地域マイクログリッド構築を目指す。この事業では小田原市内の一般家庭に設置された太陽光発電の余剰電力を同地域内の大型蓄電池やEVに供給する。また小田原市内の公園施設にて、太陽光発電設備、大規模蓄電池、EV充放電器、EV、調整力ユニットを導入する。それらを管理・制御する地域エネルギーマネジメント(Region Energy Management:REM)も用い、地域マイクログリッドの構築を目指す。
今回導入する設備・システムは、平常時には地域内の再生可能エネルギー導入拡大を目的に、発電・需要・余剰を一元的に管理し運用できる。また、非常時には当該地域の系統線を外部から切り離し、マイクログリッド内のみで需給バランスが保たれるよう一元的に管理・運用することで、地域内の停電を防ぎ、地域のレジリエンス強化を実現する。
レクシヴは、EVの導入・運用およびその管理を行うEVエネルギーマネジメントシステムの構築を担当する。利用者に不便さを感じさせることなく、EVが持つモビリティと蓄電池という二つの機能を活用できるよう、EVをグリッド内での調整力※として機能させる。
※調整力:一般送配電事業者が、電力需給の急変時にも安定した周波数の電力を供給し続ける能力。自社の電源のほか、他の小売電気事業者が提供する電源などを活用する。(引用:goo辞書)
また、京セラは、コンソーシアム全体の取りまとめや、太陽光パネル・蓄電池の導入と運用、REMを活用したマイクログリッド内の需給バランス・電圧・周波数安定化オペレーションを担当する。
A.L.I.は、需給バランス機能の提供(調整力ユニット)および REM の導入、ブロックチェーン技術を活用した再生可能エネルギーの共有モデル構築、スマートメーターのブロックチェーンノード化によるデータの利活用を行う。
そのほか湘南電力は、小売りとしての地域内への電力供給や平常時における電力の需給管理や調整を担当し、小田原市はエネルギー施策との連携、取り組みの周知、発信を行う。