MaaS Tech Japan、モビリティデータ連携基盤構築業務に採択
2021/9/1(水)
株式会社MaaS Tech Japan(以下、MaaS Tech Japan)は、広島県「モビリティデータ連携基盤構築業務」に採択された。8月26日付のプレスリリースで明かしている。
MaaS Tech Japanは、移動情報統合データ基盤「TraISARE(トレイザー)」の開発を2019年から進めていた。「TraISARE」は、交通に関する多様なデータをシームレスに共有し、分析・予測することを可能にした移動情報統合データ基盤だ。「TraISARE」は、2021年4月22日にβ版が完成。国内の1万以上の交通事業者が保有する数々のデータ全ての取り扱いが可能となった。同事業では、「TraISARE」を導入・活用した分析モデルの検討、MaaSデータの取得及び分析ダッシュボードを開発する。
人口減少・高齢化社会の進展に加え、コロナウイルス感染拡大の影響による移動自粛傾向により、現在、地域公共交通の維持が厳しい状況にある。広島県では、デジタル技術を活用したデータ分析に基づく、より効率的で利便性の高い交通体系の構築を目指している。目的は、中山間地域をはじめとする各地域の交通ネットワークの維持・確保だ。
また、昨今はICカードやスマートフォン等の普及、MaaSサービスの登場により、移動に関わるデータの種類や量が圧倒的に増加している。これらのデータ活用により、人々の移動実態や交通の運行状況を精緻に把握することが可能だ。さらに、モビリティデータを利用した新たなサービスの提供や政策検討の推進が期待される。
同事業では、多くの交通事業者や自治体がモビリティデータ利活用する上で障壁となる、データ収集・連携・分析を容易に行える環境を整備。データに基づくサービス提供や交通政策立案(EBPM)を支援する。なお、広域自治体である県として、複数のモビリティデータを統合して分析・活用を行うデータ基盤の整備は日本で初めての取り組みだ。
具体的には、TraISAREを活用し、「分析モデルの検討」「MaaSデータ取得」「分析ダッシュボードの開発」に取り組む。「分析モデルの検討」では、県及び市町における交通政策検討時を想定した分析モデルの構築と、受容性を確認する。
「MaaSデータ取得」では、運行実績、時刻表データ、人流データ等交通政策立案に必要となるデータを取得する。「分析ダッシュボードの開発」では、分析ダッシュボードの開発及び、実際の業務で利用可能なユースケースに基づく機能を実装する。
なお、MaaS Tech Japanは、今後、都市・交通分野におけるモビリティデータの利活用、自治体の交通分野におけるEBPMを支援する。そのために、TraISAREを中心とするソリューションの展開を進め、日本の課題解決に貢献すると述べている。