丸紅、EV電池等リサイクルのCirba社を5000万ドルで取得
2023/2/13(月)
丸紅株式会社(以下、丸紅)は、廃電池リサイクル業者であるCirba Solutions, LLC(サーバ ソリューションズ。以下、Cirba社)の株式を第三者割当増資引受けにより、5000万米ドルで取得した。2月9日付のプレスリリースで明かしている。
EVの急速な普及に伴い、リチウムイオン電池(以下、LiB)の廃電池(以下、廃LiB)発生量の急増が見込まれている。くわえて、電池用希少金属の採掘に伴う環境負荷の問題から、廃LiBの適切なリサイクル処理と再利用が不可欠となる。また、脱炭素社会の実現に向け、自動車業界等のLiB生産における再生材料のニーズは益々増加している。 丸紅は、1985年から電池材料分野の原料トレーディングに携わっている。脱炭素社会に向けた新たな取り組みとして、Cirba社と共同して廃LiBからニッケルやコバルト、リチウム等の希少金属を精製し、再生材料としてサプライチェーンに戻す循環型ビジネスを開発してきた。
一方、Cirba社は、EV等に利用されるLiBをはじめ、多種多様な廃電池のリサイクル事業を30年以上運営。さらに、廃電池の回収から電池用希少金属再資源化まで、一貫した循環型サービスを提供している。親会社であり環境サービス事業を営むThe Heritage Group(ザ ヘリテージ グループ。以下、THG)と連携し、車載用、およびスマートフォン等に利用される民生用電池の回収を強化させている。
また、Cirba社は、既に米国政府から助成金の承認を受けており、今回の増資と併せて、EV電池のClosed Loop Recycling※ 構築に向けた設備拡張を加速させる。丸紅は、戦略的パートナーとして出資に応じ、廃LiBのリサイクル事業へ参画する。
※Closed Loop Recycling:生産時に発生した廃棄物、スクラップや、回収した使用済み製品を再び同種製品に活用する手法で、素材の持つ本来の性質を損なうことが無い形で同じ素材の原料として無限に循環利用されるリサイクル。(プレスリリースより)
なお、丸紅は、今回の出資により、THG、およびCirba社との連携を強化し、LiBに必要な希少金属の再生材料を安定供給することで、環境負荷低減による脱炭素社会の実現に貢献していくと述べている。 (出典:丸紅 Webサイトより)