大手コンビニ3社が共同配送の実証実験 物流効率化を加速
2020/7/23(木)
経済産業省(以下、経産省)は7月22日、株式会社セブン‐イレブン・ジャパン、株式会社ファミリーマート、株式会社ローソンの大手コンビニ各社で、チェーンを横断する共同配送の実証実験を行うと発表した。
対象となるのは都内湾岸エリアの近接店舗で、セブン‐イレブン13店舗、ファミリーマート13店舗、ローソン14店舗の合計40店舗。8月1日から7日まで1週間実施する予定。江東区の物流倉庫に共同物流センターを設置。コンビニ各社の常温配送商品(飲料・菓子・日用雑貨 など)をそれぞれのセンターから商品移送を行い、各店舗を横断するルート配送を行う。また、共同在庫の可能性も検討しており、一部商品は共同物流センターにおいて在庫し、店舗別のピッキングなども実施する。
戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「スマート物流サービス」実現に向けた取り組みで、研究代表機関は公益財団法人流通経済研究所が務める。
経産省の発表によると、全国に約56,000店舗あるコンビニの社会インフラとしての役割が高まる中、安定的に商品を供給する物流網の維持・構築は非常に重要な課題だとしている。
実証では、個別に最適化・高度化されてきたコンビニの物流において、共同配送・在庫といった物流の共同化による効果を検証する。今後は実証の結果も踏まえて、コンビニ業界における新しい物流の形をコンビニ各社とサプライチェーンを構成するステークホルダー全体で検討する方針だ。将来的には業態を横断する物流の最適化も視野に検討を進めるという。
また、フードマイレージ(食料の輸送距離)の削減、運行トラック数の減少による二酸化炭素排出量の削減といったSDGs(持続可能な開発目標)の視点も合わせて検証を行う。