三菱自「Z世代へ車の楽しさ伝える」仮想カーライフアプリ「MILAND」を発表
2025/4/9(水)
三菱自動車工業は、仮想空間でカーライフを体験できるスマートフォンアプリ「MILAND(ミランド)」を発表し、3月31日に都内で記者会見を開いた。中期経営計画「Challenge2025」に基づく新規事業の一環で、アプリを通してデジタルネイティブ「Z世代」の顧客化を図る。
「MILAND(ミランド)」は、自動車未購入世代に向けて、メタバースやNFT(非代替性トークン)といった先端デジタル技術を活用し、バーチャルなカーライフ体験を提供するスマートフォンアプリだ。ゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズを手がけた田畑端(はじめ)氏が代表を務めるJP UNIVERSE社と共同開発した。
ユーザーはバーチャル空間で自分の車やガレージを所有できる。車はアウトランダー、トライトン、デリカD:5、デリカミニ、ランサーエボリューションXの5車種から選べる。色の変更やステッカーの貼り付けなど、カスタマイズも可能。直感的に車を操作することができる。
さらに、ユーザー同士が同じ車に乗り込み、物理的に離れていても同乗ドライブのようなコミュニケーションを楽しめる。走行コースには大自然や宇宙空間など、バーチャルならではのユニークな環境が用意されており、限定ステッカーが入手できるイベントも随時開催予定だ。また、車をNFT化することでデジタル資産として保有でき、NFTマーケットプレイス「OpenSea」(運営:Ozone Networks, Inc.)での売買も可能。アプリは3月31日にリリースされ、無料版と月額500円からのサブスクリプション版が提供されている。
三菱自動車は中期経営計画「Challenge2025」の重点戦略として「DX促進によるシームレスで効率的な顧客接点創出」を掲げている。
デジタルネイティブである「Z世代の10年後の自動車購入・利用者層の中心顧客化」や「デジタルを活用したビジネス変革および新ビジネスの創出」が重要施策。社内外の多様な人や技術とコラボレーションして新しいサービスを構築するオープンイノベーション(共創)を重要施策に位置付けている。
「MILAND(ミランド)」はデジタル領域における新規事業の第1弾。三菱自動車 代表執行役副社長の中村達夫氏は「先端DX、デジタルパートナー企業とのオープンイノベーションを推進して新たな価値を共創する枠組みを構築し、さまざまなサービスを展開していきたい」と今後の意気込みを語った。
発表会には女優の大原優乃さんがゲストとして招かれ、実際にアプリを体験。大原さんは「リアルで臨場感があり、車が好きな方はもちろん、免許を持っていない方も楽しめる。世代を問わず多くの人に愛されるアプリになると思う」と感想を述べた。