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三菱電機、欧米とのダイナミックマップの規格標準が本格化 差分更新も視野に

2018/1/15(月)

CES2018で披露された自動運転技術搭載車「xAUTO-US(エックスオートユーエス)」

準天頂衛星システムを使った高精度測位に強みを持つ三菱電機。2017年8月にはボッシュ、ユーブロックス、ゲオプラスプラスと「Sapcorda Service(サプコルダサービス)」という合弁会社を立ち上げるなど、ダイナミックマップの分野でグローバルな活動を見せている。
本記事では1月9日から12日まで米国ラスベガスで開催された世界最大の家電見本市「CES 2018」の三菱電機ブースの様子を中心にお届けする。

[LIGARE vol.37 (2018.1.31発行) より記事を再構成]

クルマまでドローンが宅配

CES2018の三菱電機ブースでは自動運転技術搭載車「xAUTO-US(エックスオートユーエス)」や「東京モーターショー2017」でも披露された次世代の運転支援技術を搭載したコンセプトカー「EMIRAI4」が披露された。「xAUTO-US(エックスオートユーエス)」は、昨年度より北米で実車実験が行われている。声による個人認証や助手席用のHMI技術搭載により人とクルマがつながる社会がコンセプトだ。また、ドローンの活用により、オフロードなどの見通しの悪い環境下で車が向かう先の道路状況を確認し、安全な運転に貢献する。担当者によると、「例えば、高速道路の途中でクルマが故障し停車している等の情報をすぐにクルマ側に反映することが可能。渋滞が長引いた際にはドローンで宅配をしてもらうこともできる」まさに次世代のクルマだ。

高精度ロケーター


Mobile Mapping System

また、準天頂衛星を使った高精度測位と高精度3次元地図の技術についても披露した。三菱モービルマッピングシステム(Mobile Mapping System:以下MMS)は取得した3次元空間位置データから高精度3次元地図を作成する機器。GPSアンテナ・レーザースキャナー・カメラが搭載されており、走りながら3次元位置情報を高精度収集する。「点群データとカメラ画像から自動運転に必要な地図データを抽出する」(ブース担当者)という。同社も出資会社となり、2016年6月に設立されたダイナミック基盤企画株式会社では、同社の技術も活用しながら「2018年度中に国内全ての高速道路情報をデータで供給していく予定」だという。
同社の強みである準天頂衛星システムを使った高精度測位について、自動車機器事業本部 自動車機器事業部 事業部長 石川 達也氏は「誤差はセンチメートル単位。正確な位置の特定は、外側からクルマを制御する際に必要」と自動運転に同社の強みが生かせると語った。

自動車機器事業部 事業部長
石川 達也氏


グローバルなパートナーと協調

同社は2017年8月に、ボッシュ、ユーブロックス、ゲオプラスプラスとともに「Sapcorda Service(サプコルダサービス)」という合弁会社を立ち上げている。「日本と欧州で規格をあわせるためには、欧米のパートナーが必要。ボッシュはカーメーカーに精通しており、ユーブロックス、ゲオプラスプラスは欧米に特化した衛星技術がある。我々は衛星のコアな技術を持っている(石川氏)」と今後もグローバルなパートナーと協調していく予定だ。クルマの電動化については、「電車や工場モーター技術の知見とノウハウを持っているので、アドバンテージがある。クルマの電動化技術にも生かしていきたい」と語った。
北米での高精度地図制作や規格の標準化など基盤整備が本格化し、進展にも注目が集まっている。

 

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