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三菱電機の考える自動運転 準天頂衛星によるセンチメートル級の自車位置測定が可能に 

2017/12/26(火)

東京モーターショー2017でのブース展示の様子

三菱電機は10月17日、兵庫県赤穂市にあるテストコースで、予防安全・自動運転の実証実験車試乗会を開催した。準天頂衛星の製造などを手掛ける総合電機メーカーである三菱電機が挑む自動運転はどのようなものなのだろうか。
[LIGARE vol.36 (2017.11.30発行) より記事を再構成]

自動運転のコンセプト

三菱電機の予防安全(自動運転)コンセプトは「大切にしたいのは、どんな時でも人を想うこと」。自動運転の機能を実現するだけでなく、クルマとドライバーとの関係性を大事にしたいという思いが見える。これを支える技術コンセプトとして「ドライバーと常に寄り添う」「乗る人すべてに心地よく」「宇宙(そら)からクルマを見守る」の3点を挙げている。このような技術を総合的に「Diamond Safety」と名付け、予防安全や自動運転の実現を目指している。三菱電機の自動車機器開発センター長である山川智也氏は「周辺状況やドライバーを見守り、違和感やショックを与えない快適さを提供することや、最先端の衛星技術により霧や豪雪の中でも人がパニックに陥らないようにクルマを導くといったことを実現していきたい」と語った。
このコンセプトを実現するための具体的な技術領域は3つある。
1つが「認知」「判断」を行うセンシングやAIの技術だ。ミリ波レーダーやカメラ、ドライバーモニター、超音波ソナーなどのセンサー類や、それらを統合するセンサーフュージョン技術、また行動予測やリスクマップ技術などがこれに当たる。
2つ目は「操作」に当たる車両制御技術だ。三菱電機はEPS(電動パワーステアリング)に代表される高い技術力を持ち、自動運転において必要となる車間距離維持制御や車線維持制御、自動駐車制御などにも安定した操舵技術があるという。
3つ目はインフラ活用。特に準天頂衛星を利用した高精度な測位とモービルマッピングシステムによる高精度地図の作成技術の活用や、インフラ事業で培った移動体通信技術がある。
「信頼性の高いデバイスやシステム、インフラ活用や衛星・通信の技術を保有していることが、私たち総合電機メーカーの強みであり、安全性の高い自動運転の実現に貢献できると考えている」(山川氏)。

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