三菱自とゼンリン、ZDC「国内初のEV行動可視化レポート」発売
2024/9/30(月)
三菱自動車工業とゼンリン、ゼンリンデータコム(ZDC)は、国内初とする「EV行動分析レポート」を有償で提供すると9月20日、発表した。三菱自の電動車から取得するデータを匿名化し、ゼンリンの地図情報やZDCの位置情報解析プラットフォームと掛け合わせ、電動車の使われ方を可視化して提供する。
「EV行動分析レポート」(以下、「レポート」)で提供される情報は、三菱自の電動車から取得する1日の走行距離、走行エリア、充電場所、SOC(State Of Charge、充電率)、公共充電器での充電履歴など。3社は取得する情報をビッグデータとして各社の強みを掛け合わせた上で、需要家に対して有償で提供する。需要家として自治体やインフラ事業者を想定。こうした需要家が、将来的な電力需要やインフラコストの試算、充電器の設置場所検討などで「レポート」を活用すると見込む。
三菱自は2009年に世界初の量産EVとして「アイ・ミーブ」を、13年に世界初のプラグインSUVとして「アウトランダーPHEV」を発売。35年までに販売する自動車の電動比率を100%にする方針を示している。
ゼンリンは全国の調査網による現地調査などを通じて「現実世界のあらゆる情報を収集」した、「時空間データベース」づくりに注力。その一環として収集する「EV充電スタンド情報」は、充電器の出力や満空情報など詳細な属性にわたるデータを事業者に提供している。
ZDCは位置情報の解析技術を利用して統計データや人流データを提供。23年より電動車のデータ管理システム「e-mobilog」を運用している。3社は「レポート」や、電動車から取得する情報の活用で電動車や充電インフラの普及、EV利用上の課題解決を後押しする考え。