走行しながら給電可能 東大と三井不動産、走行レーン新設および検証開始
2023/7/5(水)
東京大学大学院新領域創成科学研究科 藤本・清水研究室(以下、東京大学)と三井不動産株式会社(以下、三井不動産)は、KOIL MOBILITY FIELDに走行中給電用コイルを埋設した走行レーンを民間で初めて新設し、フィールド検証実験を開始した。
東京大学と三井不動産は、これまでの共同研究において、KOIL MOBILITY FIELDを活用して、走行中給電の早期実用化を目指し研究開発を進めてきた。この新しい走行レーンには、道路工事や路面温度等の環境条件に対応できるSWCC株式会社製の送電コイルを道路に埋設し、より社会実装に近いものとなっている。走行中給電システムを開発研究する企業、大学等は、東京大学と共同研究パートナーとなり、かつKOIL MOBILITY FIELDの会員になることで同レーンを利用できるようになる。今回埋設した送電コイルは、60秒間充電をすると約6km走行できる試算となっている。そのため、両者は、社会実装に際して、市中においては信号待ちをする交差点停止ライン30m付近に送電コイルを埋設することがより効果的であると考えているという。将来的に6km走行する間に60秒間の充電が可能なインフラ整備やまちづくりを進めることができると、駐車して特定の充電設備を使うことなく断続的に充電できる。これにより、バッテリーの正味消費電力をゼロにでき、小型なバッテリーだけで連続走行が可能となる。
また、両者は、今回新設した走行中給電レーンでの研究成果を、2023 IEEE Third International Conference on Industrial Electronics for Sustainable Energy Systemsで発表する予定だ。なお、両者は、走行中ワイヤレス給電の公道での実証実験を目指し、同研究開発を促進することで、持続可能なモビリティ社会の実現に貢献していくと述べている。