国交省、フィジカルインターネット・ロードマップ発表 物流業界課題解決へ
2022/3/10(木)
国土交通省は、フィジカルインターネット実現会議におけるこれまでの議論を踏まえ、フィジカルインターネット・ロードマップを取りまとめた。3月8日付のプレスリリースで明かしている。
電子商取引の増加や積載効率の低下、人口減少に伴う労働力不足の深刻化等により、物流における需要と供給のバランスが崩れつつある。この状況を放置すれば、2030年時点で、7.5~10.2兆円の経済損失が発生するなど経済成長を制約するだけでなく、物流機能自体の維持が困難になる恐れがある。国土交通省は、こうした事態を回避し、物流を産業競争力の源泉としていくため、フィジカルインターネット実現会議を2021年10月に設置した。目的は、2040年を目標とした物流のあるべき将来像として、日本のフィジカルインターネットの実現に向けたロードマップを策定することだ。
フィジカルインターネットは、回線を共有した不特定多数での通信を実現する考え方を、フィジカル、つまり物流の世界にも適用しようという考え方だ。インターネット通信における、データの塊をパケットとして定義し、パケットのやりとりを行うための交換規約(プロトコル)を定めている。
同ロードマップでは、業界横断的に行うべき取り組みとして、「ガバナンス」「物流・商流データプラットフォーム」など6つの項目に整理した。各項目について、パレットやコンテナ容器等の物流資材の標準化・シェアリングなど、2040年までに段階的に行うべき取り組みを示している。
また、同ロードマップでは、フィジカルインターネットが実現する4つの価値として、「効率性(リソースの最大限の活用・CO2排出の削減等)」などを挙げた。これらの価値は、SDGsにおける17の目標のうち、保険など8つの目標の達成にも寄与しているという。同ロードマップの詳細は、以下で公開されている。
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001468631.pdf
(出典:国土交通省 Webサイトより)