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三菱マテリアルら、EVにも使われる電池のリサイクル技術開発へ

2022/12/6(火)

LIBリサイクルフローと
共同開発領域

三菱マテリアル株式会社(以下、三菱マテリアル)ら3社は、EVにも使われているリチウムイオン電池(以下、LIB)のリサイクル技術の共同開発に、事業化を前提として着手する。12月2日付のプレスリリースで明かした。

レアメタルを含有するLIBは、スマートフォンなどのモバイル機器や家電製品に広く利用されている。また、ハイブリッドを含む自動車のEV化により、これからもLIBの需要は拡大していく見込みだ。

一方で、主要なLIB材料であるリチウム、コバルト、ニッケルなどのレアメタルは、近い将来の供給不足が懸念されている。このため、地下資源の開発にくわえ、材料のリサイクルや代替材料の開発などの対策が、産業界全体における成長戦略の重要な課題となっている。

同開発は、三菱マテリアル、株式会社エンビプロ・ホールディングス(以下、エンビプロHD)、株式会社VOLTAの3社で実施する。3社は、これまで相互にノウハウと湿式製錬技術を培ってきた。今回の共同開発では、これらのノウハウと技術を融合することで加速させ、ブラックマス ※を原料としたレアメタルの回収・精製の事業化に向けた技術開発に取り組むという。

※ LIBを放電・乾燥・破砕・選別したリチウム、コバルト、ニッケルの濃縮滓(プレスリリースより)

なお、3社は、これらのレアメタルを高効率で回収するリサイクル技術の確立により、LIBの処理から材料の安定供給まで一貫したリサイクルシステムの構築に貢献すると述べている。

▼代表者コメント
三菱マテリアル株式会社 執行役常務 髙柳喜弘氏のコメント
「当社はこれまでも、銅製錬所におけるシュレッダーダストやE-Scrapの処理、家電リサイクル工場への出資をはじめとして、各事業分野においてリサイクルを積極的に推進してまいりました。
このたびエンビプロ・ホールディングス社とともに、湿式製錬によるリチウムイオン電池のブラックマスからのレアメタル回収という新たなリサイクルの事業化に向けて共同開発することとなりました。
当社がこれまで培ってきた製錬技術を最大限に生かして本プロジェクトを成功させ、早期の事業化を目指すとともに、リチウムイオン電池材料の安定供給とそのリサイクルシステムの構築に貢献していきます。」

エンビプロHD 代表取締役社長 佐野富和氏のコメント
「リチウムイオン電池のリサイクル分野は中国や韓国が先行していち早く事業化し、年々その規模を拡大しつつあります。
一方日本ではLIBリサイクルの一次加工にあたるブラックマス製造を担う会社は複数あるものの、次の工程である製錬分野で事業化している会社はまだありません。
三菱マテリアル社との今回の共同開発契約は、LIB to LIBのクローズドループ実現を目的にしており、資源安全保障の観点からも国益にかなう取り組みです。
当社はリサイクル業界で70年余に渡り生業を営んできました。私はこの際、これまで培ってきたリサイクル技術やノウハウを惜しみなく提供して本プロジェクトを必ずや成功裡に導く覚悟です。」

(出典:三菱マテリアル Webサイトより)

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