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NEDOら、自律運航AI搭載ドローンを用いた荷物配送等の実証実験実施

2022/5/20(金)

NEDOらが実施した
ドローン配送の実証実験概要

NEDO、東京大学、イームズロボティクス株式会社(以下、イームズロボティクス)は、佐川急便株式会社(以下、佐川急便)の協力のもと、自律運航AI技術開発の一環で、自律運航AIを搭載したドローン(AIドローン)を用いて荷物配送などを行う実証実験を実施した。5月18日付のプレスリリースで明かしている。
ドローンは、物流・空撮・保守点検・農林水産分野などにおいて空の産業革命を開くものとして急速な社会実装が進んでおり、政府は2022年をめどに「有人地帯における補助者なし目視外飛行」(レベル4)を実現する目標を掲げている。しかし、パイロットの判断で故障や悪天候、電波途絶、飛行物体の接近などのハザードに対応できる通常の航空機と異なり、ドローンにおいてはオペレーターが地上から遠隔で監視・操作を行う必要がある。このため、レベル4の実現にはドローンを自律運航できるAIなどが求められてる。

同実証実験の目的は、ドローンに搭載したAIが飛行中に人を検出した場合に自動で一旦停止し、人がいなくなれば自動的に飛行を再開する機能や、地上の人や建物への衝突リスクが低い飛行ルートを自動で生成する機能の確認だ。具体的には、イームズロボティクス製ドローン(UAV-E6106FLMP)に自律運航AIを実装したAIドローンを用いて、佐川急便相馬営業所(福島県南相馬市)と柚木公会堂(福島県相馬市)を結ぶ約1.5kmを往復で飛行する実験を行った。

往路では佐川急便相馬営業所で市の刊行物を模した荷物をドローンに搭載し、柚木公会堂まで約7分間の飛行をしながら、AI機能による人物検知、検知後の機体の自動一旦停止・飛行再開の検証を行っている。また、復路では、荷物は搭載せず、住宅などリスクの高いエリアを回避する飛行ルートを自動生成する機能を検証した。飛行制御は、補助者ありで目視外の自動飛行とマニュアル飛行で行った。

この結果、東京大学とイームズロボティクスは、佐川急便相馬営業所から柚木公会堂へ向けた荷物輸送(往路)において、ドローンに搭載したAIが飛行中に人を検出した場合に自動で一旦停止し、人が移動していなくなれば自動的に飛行を再開する機能を確認した。

また、荷物配送を終えた復路では、AIドローンが地理空間情報から住宅や道路などのリスクの高いエリアを判別することにより、柚木公会堂からの飛行前にリスクの高いエリアを回避する最適なルートを生成したことを確認した。その後、AIドローンは飛行ルート通りに佐川急便相馬営業所まで約7分で飛行している。

なお、NEDO、東京大学、イームズロボティクスは、佐川急便ほかの協力のもと、2022年12月をめどに予定されているレベル4実現に向け、同実証実験で得た知見を基に、南相馬市などでさらなる飛行実績を蓄積するとともに、安全な飛行技術の研究開発を進める。これにより、レベル4環境下の物流現場でAIドローンが利用される社会を目指すと述べている。


(出典:NEDO Webサイトより)

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