震災復興と持続可能なまちづくりを目指し、福島県の3自治体と日産らが連携協定結ぶ
2021/2/3(水)
福島県の浪江町、双葉町、南相馬市や日産自動車をはじめとした11者は、「福島県浜通り地域における新しいモビリティを活用したまちづくり連携協定」を2月2日に締結した。東日本大震災からの復興と、浪江町・双葉町・南相馬市が目指す、夢と希望のある未来のまちづくりを目的に掲げる。
協定に参加したのは、浪江町、双葉町、南相馬市と日産自動車のほか、リチウムイオン電池の開発製造を行うフォーアールエナジー(日産と住友商事の合弁)、日産系販売店である福島日産自動車と日産プリンス福島販売、さらにイオン東北、日本郵便東北支社、建設コンサルタントの長大、ゼンリンと、多彩な顔触れが並ぶ。今回の締結により各社の資源・先進技術・ノウハウを生かし、(1)新たな移動手段となるモビリティサービスの構築、 (2)再生可能エネルギーの利活用による低炭素化の取り組み 、(3)コミュニティの活性化、 (4)災害時の強靭化に向けて協業し、持続可能なまちづくりの実現を目指す。
■取り組みの概要
(1)新たな移動手段となるモビリティサービスの構築
過疎地や復興地域においても持続的かつ帰還・交流人口の段階的な増加にも対応しうる公共交通サービスの構築を目指す。並行して、生活利便性の向上や経済・産業の活性化にも貢献する自由な移動、物流手段の実現を目指す。<具体例>
・浪江町、双葉町、南相馬市、日産自動車、イオン東北、日本郵便、長大、ゼンリンが、さまざまな交通手段、貨客混載、デジタル技術および自動運転技術などの活用によって、過疎地や復興地域においても持続可能なモビリティサービスの構築と、帰還・交流人口の段階的な増加に対応しうる持続可能な公共交通サービスの構築を目指す。
・浪江町、双葉町、南相馬市、日産自動車、イオン東北、日本郵便は、構成自治体内の生活利便性向上、経済、産業の活性化への貢献を目的とした移動や物流の実現を目指す。
(2)再生可能エネルギーの利活用による低炭素化の取り組み
電気自動車や定置型再生バッテリーを利用したエネルギーマネジメントシステムの構築と合わせ、各種施設や域内店舗での再生可能エネルギーの利活用を向上させ、低炭素化への取り組みを加速する。<具体例>
・浪江町、南相馬市、日産自動車、フォーアールエナジーは、電気自動車の充放電統合的制御技術の応用と、定置型再生バッテリーの利用による、地産の再生可能エネルギーを有効に活用するエネルギーマネジメントシステムの構築を目指す。さらに、この技術を活用し、浪江町、南相馬市内の施設における再生可能エネルギーの利用率向上に取り組み、中長期的に域内全体の低炭素化の促進を図る。
・イオン東北は、浪江町内の店舗を活用し、再生可能エネルギーの利活用や省エネルギーへの取り組みなどを通じ、脱炭素化に貢献する。また、日本郵便は、浪江町、南相馬市内全体の低炭素化の促進を目的に、再生可能エネルギーの利活用とエネルギー利用の適正化を目指す。
・長大は、バイオマス発電のノウハウを活かし、浪江町、南相馬市に対し、防災計画などを考慮した低炭素化へのエネルギー計画を企画、提案する。