日産、ルノーと相互15%出資へ 「重要なマイルストーン」
2023/1/31(火)
日産自動車株式会社(以下、日産)は1月30日、仏ルノーグループとのアライアンスについて両社が15%の株式を相互に保有するなどの条件で合意したと発表した。各社の取締役会の承認を必要とするが、日産は両社間の協議が「重要なマイルストーンを迎えた」としている。
日産は「ルノーグループとのパートナーシップの新たな基盤を定めるべく、これまで数か月間にわたり、建設的な協議を重ねて」きた。アライアンスの連携を強化し、全てのステークホルダーに対する価値創造の最大化を目的に、このほど3つの領域で合意した。第1の領域:「高い価値を生むプロジェクトによる、パートナーシップの再構築」
ラテンアメリカ・インド・欧州にて市場・自動車・技術の3つの視点で展開させる主要プロジェクトを推進する。
第2の領域:「パートナーが参加可能な新しい取り組みによる、戦略的な機敏性の向上」
ルノーグループが設立するEV会社アンペア社に日産が出資する。戦略的な株主となることを目的とするという。
第3の領域:「バランスのとれたガバナンスと株式の相互保有による、事業効率の向上」
ルノーグループは日産の株式28.4%をフランスの信託会社に信託する。ほとんどの議案に関する議決権が「中立化される」一方、株式が売却されるまでの間、ルノーグループが保有する配当金と売却代金の権利は維持される。
日産とルノーグループはロックアップ(継続所有)義務、スタンドスティル(合意なく株式を買い増さない)義務を伴う株式15%を相互に保有し、保有株に伴う議決権15%を相互に行使できる。また、アライアンスオペレーティングボードは各社の調整の場として存続する。
なお、日産の有価証券報告書によると、2022年9月30日時点でルノー エスエイは日産の発行済株式(自己株式を除く)の43.7%をもつ。日産はルノーとの資本参加を含む提携を1999年に開始した。2022年の販売台数は日産が約323万台、ルノーグループが約205万台。