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NNG サイバー攻撃からクルマを 防御するソリューション開発

2017/11/14(火)



フォード車に搭載されたナビ画面



車両搭載の機能自動化が進んだ結果、ハッキングされた際に生じる被害は甚大だ。システムに内部侵入され、ブレーキ等の安全装置をコントロールされる最悪なケースも想定される。Arilou社CEOのジブ・レビ氏は、もっとも一般的なハッキングの手法を「なりすまし攻撃」と指摘。「車載のサイバー・セキュリティが果たす役割は非常に大きく、複数国ではクルマへの標準搭載法案が提出されている。ハッカーの被害を受ける前になりすまし攻撃から防御することが可能になるのは、ワクチンとなる新ソリューションの実装だけだ」と胸を張る。

ハッカーが車載システムを攻撃する際、最多と考えられる手段はECU(Engine Control Unit)を誤認識する不正なコマンドの送信だ。その対策として新ソリューションではコマンドをフィルタリングすることで、①ECUへの送信シグナルの特徴に基づき、情報ソースを検知、②不正メッセージのリアルタイム傍受、③検出遅れ時間がないリアルタイム・オペレーション――を可能とした。

リアルタイムな4つのプロテクションで防御する



新ソリューションは車両ネットワーク全体をCAN(Controller Area Network)バスに接続された4層の厳重なプロテクションでカバーする。各保護層がゲートキーパーの役割を担うため、正しいコマンドのみを車載ネットワークに送信する。

また、ECU間のCANバス上のコンテンツ、コンテキストのコミュニケーションのほか、情報ソースも分析するため、リアルタイムであらゆるタイプの不正通信に自動対応。ドライバーの安全とコネクティビティ保護が可能となった。

「弊社のテクノロジーは世界でもオンリーワンの信頼性の高いセキュリティ・ソリューションとなっていくだろう」とジブ氏は強調する。池田平輔社長は、「ナビゲーションは我々のビジネスのバックボーンのため、今後もシェアを伸ばしてしていくなかで、今回のサイバーセキュリティ・ソリューションやHMIのデザインサポートにも注力していきたい」と展望。

写真の「FORD SYNC3 RoW」は、フォードのブランドイメージを踏襲したフルカスタマイズしたHMIが特長。車載システムと密接に統合するよう設計された。またインド、中国大陸、スリランカ、アフリカ、中東、東南アジアほか、190か国を網羅するなどカバレッジが広く、グローバルでユーザーをサポートできる点も同社の強みになるという。

今回のサイバー・ソリューションの実装時期は未定だが、5Gが稼働する2020年には投入される見通しだという。NNGでは新ソリューションでシェアを確固たるものにしていきたい考えだ。

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