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NTT、デジタルツインを活用した信号機不要の全体最適制御技術確立

2022/6/3(金)

日本電信電話株式会社(以下、NTT)は、信号機を使わないモビリティ実現に向けた全体最適制御のための技術を確立した。5月30日付のプレスリリースで明かしている。

将来、ICTの高度化により、ヒト・クルマ・インフラが高度に協調し、安全かつ効率的な移動を提供する高度協調型モビリティ社会の実現が期待されている。IOWN構想※のシグナルフリーモビリティが実現すると、信号機のない街を自動運転車群が相互に通信をしながら自律走行し、衝突することなく輸送時間を短縮することが可能だ。
※アイオン:Innovative Optical and Wireless Network(NTT Webサイトより)

NTTはこれまでに、シグナルフリーモビリティにおける車の状態予測のための分散演算則と交通制御の数値シミュレーションの結果を示してきた。今回新たに、デジタルツインを介して、10-20台の自動運転ミニカーをリアルタイムに制御するシステムを構築し、実環境で交通をリアルタイムに全体最適制御する実験に成功した。これにより、IOWNのめざすシグナルフリーモビリティ実現に向けて大きく進展した。

シグナルフリーモビリティでは、車群から収集したデータをデジタルツインで解析し、衝突することなく輸送時間を短縮するための交通全体の最適状態(各車の速度や位置)を予測して制御する。主な研究課題は、このデジタルツイン上の状態予測系のモデル化、およびデータ駆動型でそのモデル学習する方式を確立することだ。

同研究では、各車とそのつながりで構成されるグラフを用いて、デジタルツインの状態予測系をモデル化した。時々刻々と変化する複雑な交通制御を単純な部品(各車の状態予測/制御と近接車間の通信)の組み合わせで表現することを目指している。

なお、NTTは今後、この交通制御実験の規模を拡大し、より実世界の交通に近い状況の実証実験を展開していく予定だ。IOWNにおけるデジタルツインコンピューティングを支える分散情報処理技術として、今後も研究開発を推進していくと述べている。

(出典:NTT Webサイトより)

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