ニュアンスの会話型AIプラットフォーム、メルセデス・ベンツ新型Aクラスに搭載
2018/6/13(水)
(*1)Dragon Drive・・・音声操作とコンテンツ配信をエンドツーエンドで可能にするソフトウェア・プラットフォーム
■MBUXの特徴
- ・真の会話インタフェース―ボタンを押す代わりにウェイクアップワード(WuW)で起動する最初の車載システムの一つ。「ハロー、メルセデス」というシンプルな言葉に応える。自然言語理解と自然言語生成機能により、ドライバーと同乗者は誰かに質問し、要求を満たすようにMBUXと自然に会話することが可能。例えば、ドライバーが「明日は、サンダルを履いて出かけられますか?」と尋ねると、MBUXは天気予報を照会し、「はい、明日の天気は晴れの予報です」と返答する。もし、ドライバーが「ここは暑すぎる」と言えば、MBUXは車内の気温を下げる。このように、MBUXは従来のワンパターンなフレーズでの回答ではなく、自然に自在な応答を行うことができる。
- ・指示対象を記憶して連続した会話を実現―MBUXの自然言語理解は、ドライバーが以前に言ったことを参照し、人間がそうであるように、過去に言われたことへの言及を理解するようにデザインされている。例えば、あるユーザーは「ジョンにメッセージを送信してください」と言った後に、「マリアにも送信してください」と言うかもしれない。あるいは、「ロンドンの天気はどうですか?」と聞いた後に、「マンチェスターは?」と訊ねるケースも考えられる。MBUXはこの種の会話をフォローし、様々な要求に応えるインテリジェント機能を有している。
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・ハイブリッドで適応力のあるシステム―車載に組込まれた機能であってもクラウドを介し、無線ネッワトーク(OTA)による更新ができるように、柔軟な構造で設計されている。ソフトウェアモデルは、時間の経過とともに新しい単語や言語の使用が豊富になるため、新しいドメイン(例えば、シーズンスポーツイベントなど)、バーチャル・アシスタントやサービスを追加することで、いつでもドライバーが利用できる情報の範囲を拡大し、クルマは常に最先端の機能を備えている。さらにクルマと深く統合されたアシスタント機能により、車内の温度調節や音楽、あるいはシート温度調整やマッサージなどの機能を音声で制御することが可能。
ダイムラーのデジタルビークル&モビリティ部門のバイスプレジデントであるサジャド・カーン(Sajjad Khan)は、「MBUXとともに、私たちは、クルマがモバイルアシスタントになる転換期に一歩近づいています。メルセデス・ベンツのドライバーに新たなエクスペリエンスを生み出すために、私たちが実装する新技術は、シームレスかつシンプルなクルマとの対話を実現するというゴールのもと、ユーザーを第一に考えなければなりません。それが長年のパートナーであるニュアンスと密に連携している理由であり、差別化を図る上で車内エクスペリエンスの構築にニュアンスの直感的で自然な音声と言語のソリューションが必要不可欠なのです」と述べている。
ニュアンスコミュニケーションズのエクゼクティブ・バイスプレジデント、ステファン・オルトマン(Stefan Ortmanns)は次のように説明している。「デジタル化の進展とコネクテッドカーは、IoTによるエコシステム形成の不可欠な要素となってきています。今日のコネクテッドワールドにおいて、ユーザーは、コンテンツとサービスへのシンプルで高度にパーソナライズされたアクセスを求めており、車内のアシスタント機能も例外ではありません。私たちはAIで強化されたオートモーティブアシスタントの新潮流の最先端システムであるMBUXの開発において、ダイムラーと協業できたことを誇りに思います。」
Dragon Driveによって実現したMBUXは、イギリス英語、アメリカ英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、メキシコスペイン語、中国語、日本語、韓国語など23か国語に対応していく。MBUXは、2018年5月より欧州で出荷が開始された新型Aクラスに最初に搭載される。
※機能等については、英語版MBUXの紹介(2018年6月13日時点)