オトクなクーポンを使って知らない場所へ! Osaka Metroが生活サブスク開始
2023/1/31(火)
左:Osaka Metro都市型MaaSモビリティ部 サービス連携課 包末 貴見賀 氏
右:Osaka Metro都市型MaaSモビリティ部 サービス連携課 窪田 公 氏
右:Osaka Metro都市型MaaSモビリティ部 サービス連携課 窪田 公 氏
大阪市高速電気軌道株式会社(以下、Osaka Metro)はサブスクリプション型生活サービスの実証実験を2022年12月に開始した。実証実験では電子クーポン「スマホでラクーオトクーミリョクーポン♪」(以下、ミリョクーポン)を都市型MaaSアプリ「e METRO」で販売。サービス利用を通じて移動機会の創出につながるかを検証する。
「ミリョクーポン」はアプリで毎月先着300名に月額税込550円、オンデマンドバス定期券の利用者には330円で販売。約80カ所の店舗や施設で1カ月間に何度でも利用できる。
今回、移動と生活サービスを掛け合わせたお得なサブスクリプション型生活サービスとなる新規事業について、「アプリを使って知らないお店や場所へ出かけてほしい」と話す都市型MaaSモビリティ部の窪田公氏(以下、窪田氏)と包末貴見賀氏(以下、包末氏)に実証実験の目指すところや、アプリについてうかがった。
「ミリョクーポン」はアプリで毎月先着300名に月額税込550円、オンデマンドバス定期券の利用者には330円で販売。約80カ所の店舗や施設で1カ月間に何度でも利用できる。
今回、移動と生活サービスを掛け合わせたお得なサブスクリプション型生活サービスとなる新規事業について、「アプリを使って知らないお店や場所へ出かけてほしい」と話す都市型MaaSモビリティ部の窪田公氏(以下、窪田氏)と包末貴見賀氏(以下、包末氏)に実証実験の目指すところや、アプリについてうかがった。
■e METROで目指す未来の大阪
――「ミリョクーポン」は「e METRO」アプリの中で販売されますが、まずアプリについて教えていただけますか?包末氏:現在アプリには主に4つの機能があります。1つ目は鉄道やバスの乗り換え検索です。鉄道、バスだけでなくタクシーやシェアサイクルといった複数のモビリティを利用した適切な移動方法をご提案いたします。
2つ目がご利用いただく機会の多いオンデマンドバス※予約機能です。オンデマンドバスの予約と決済を担っています。
※「e METRO」アプリや電話で予約するバス。北区(キタエリア)・福島区(福島エリア)・生野区(生野エリア)・平野区(平野 A エリア・平野 B エリア)の大阪市内4区5エリアで運行している。路線バスのように決まった路線、時刻表がなく、利用者が乗降場所や乗車時間を指定し予約することで、バスが配車される。AIが予約に基づいて自動生成したルートを走る柔軟さが特徴。
3つ目はデジタルチケットの販売です。オンデマンドバスや路線バスの定期券、回数券や1日乗車券を販売し、新機能の生活サブスクも追加しながらサービスを展開しています。
4つ目がおでかけ情報配信です。地域のお店やイベントの情報を記事にして発信しています。
「e METRO」は大阪の交通課題を解消すると共に新たな事業へ挑戦し、事業の持続的成長と大阪の活性化への貢献の両立を目指す、Osaka Metro Groupの「都市型MaaS構想」の愛称で、都市型MaaS構想の各サービスとお客さまとの接点として、アプリにも同じ名称を付けています。
――都市型MaaS構想「e METRO」では、全社的な取り組みを4層に分類して整理していますが、それぞれの取り組みについて教えていただけますか?
窪田氏:図は、Osaka Metro Groupの都市型MaaS構想を表現したものです。まず第1層は「最新技術でストレスフリーな移動」。地下鉄やバスの運行をはじめとして安全安心や快適さ、利便性の向上を目指します。
第2層は「自由自在な移動のパーソナル化」。鉄道や路線バスに加えて、オンデマンドバス、カーシェアやタクシーなど多様な交通手段がシームレスにつながるように整備します。
第3層は「フィジカル空間での生活・都市機能の整備」。駅や駅周辺で生活利便性につながるような都市開発やマーケティング事業を進めます。
第4層は「サイバー空間での生活を豊かにするサービス」。第3層の取り組みをサイバー空間にまで広げ、お客さま一人一人と直接つながり、サービスを展開していきます。今回の生活サブスクはこの層に当たると思っています。鉄道・バス沿線のみなさまのリアルな生活をサポートする新たなサービスとして進めていきます。
――図を見ると、第1層から第4層に向けて高くなっていく、進化する印象を受けます。サービスが進化していく感じでしょうか?
窪田氏:各層は高み、進化というのではなく、お客さまの一人一人のニーズに合わせたサービスを4つの切り口で提供するようなイメージです。4層すべてで相乗効果を発揮し、層構造で生活の質を向上させるような生活に密着したサービスの提供をしていきます。
当社は企業のミッションとして、交通を核にした生活まちづくり企業を掲げています。移動手段、交通を圧倒的に便利にし、そこに交通以外の生活サービスも合わせて提供することで事業の持続的成長かつ、大阪の活性化の両立を都市型MaaS構想「e METRO」で実現していこうと考えています。
■生活サブスクから始まる新しい移動
――それでは、生活サブスクの実証実験についてご紹介をお願いします。包末氏:「ミリョクーポン」の名前の通りにスマホに表示するだけで多種多様なクーポンを利用できる楽さ、便利さ、お得さが特徴であると思います。飲食店だけでなく物販店、サービス店舗にもご参加いただいており、広くご利用いただけると思っています。
参加店舗の多くはオンデマンドバス運行エリアの福島から梅田・天満にあり、エリア外の系列店にもご参加いただいています。「e METRO」アプリで参加店舗、クーポンの一覧を掲載しており、豪華なサービスを何度でもご利用できます。
――どのようなビジネスモデルでしょうか?
包末氏:Osaka Metroが仲介役となり、店舗の発行するクーポンをユーザーに販売する形です。クーポンを発行していただく参加店舗に対しては「e METRO」アプリで記事の形で紹介をしています。
――アプリでクーポンを発行する狙いは何でしょうか?
包末氏:生活サブスクを利用していただくことで、行ったことのないサブスク対象店舗やその周辺へ行ってみようという移動機会の創出を狙っています。また、移動の増加に合わせて定期券の販売拡大や、サブスク利用料による運賃外収入にも期待しています。
――昨年12月23日にミリョクーポンの販売を開始してから、参加店舗・ユーザーからの声にはどんなものがありましたか?
包末氏:ふだんは行かない店舗やエリアに足を運ぶきっかけになったという声をいただいています。また、いろんなお店でご使用いただけているようです。
窪田氏:ユーザーからミリョクーポンが使えるかどうかお店で分からないという意見もいただいているので、お店に配っている販促ツールなどアプローチを考えたいですね。ユーザーを増やすために大規模なプロモーションを仕掛けていきたいなと。
■交通も生活もe METROで便利な暮らし
――最後に、e METROと生活サブスク事業の今後についてお聞かせください。窪田氏:「e METRO」アプリの発展でいいますと、鉄道や路線バスの定期券も購入できるなど、モビリティの予約、支払いはアプリにする考えです。それだけだと狭義のMaaSでしかないので、生活サービスと連携します。移動手段プラスで生活を便利にし、いろんなサービスをアプリに統合することになると思います。
アプリを使って鉄道、バス、モビリティ、そしてお店の予約、決済までもできるよう目指していきたいですね。
生活サブスク事業については、実証実験の結果を分析した上で実証実験を続けるか、本格運用に入るかを決めたいと思います。Osaka Metroとしても初の取り組みですので、移動需要が創出されるか検証した上で次のステップに進みたいと思います。
――今後ミリョクーポンを利用される方にお伝えしたいことはございますか?
窪田氏:ミリョクーポンをきっかけに新しいお店や場所にお出かけし、新しい発見をしていただけるといいなと思っています。店舗さまからも、ぜひお気軽にお声がけください。
包末氏:月額550円または330円で何度でも使えて、すごく元をとれるクーポンです(笑)。ぜひいろいろな店舗さまで使っていただければと思います。