【世界初】パナソニック、水素活用施設H2 KIBOU FIELD稼働
2022/4/18(月)
パナソニック株式会社(以下、パナソニック)は、「RE100ソリューション」実証施設「H2 KIBOU FIELD」を稼働した。4月15日付のプレスリリースで明かしている。本格的に水素を活用する工場のRE100化は、世界初(パナソニック調べ)の試みだ。
同施設は、滋賀県草津拠点に5kW純水素型燃料電池99台(495kW)と太陽電池(約570kW)を組み合わせた自家発電設備、さらに余剰電力を蓄えるリチウムイオン蓄電池(約1.1MWh)を備えた実証施設だ。ここで発電した電力で草津拠点内にある燃料電池工場の製造部門の全使用電力を賄うとともに、3電池連携による最適な電力需給運用に関する技術開発および検証を行う。同施設の特徴は、3電池連携により、互いの特性を補完できることだ。従来の太陽光発電は、広大な設置面積が必要であり、かつ天候の影響を受けやすい。しかし、連携することにより、例えば工場の屋上など限られたスペースでの自家発電設備の設置も可能だ。また、蓄電池との連携により、電力使用量がピークになった時でも燃料電池と蓄電池からの電力供給をコントロールできる。これにより、必要な電力を自家発電設備で安定的に賄うことが可能だ。
さらに、同施設では、5kWの純水素型燃料電池を複数台連携させている。これにより、建屋・敷地に合わせたレイアウトで大電力化しながら、必要な電力量に応じて機器を発電させたり停止させたりする運用が可能になり、機器劣化を抑制し、生涯発電量を最大化させる。また、工場内の稼働を止めることなく、無停止でのメンテナンスも可能だ。
パナソニックは、同実証実験を通じて純水素型燃料電池の運用を含めたエネルギーマネジメントに関するノウハウ・データの蓄積と実績構築を図る。そして、自家発電により事業活動に必要な再エネ電力を賄う「RE100ソリューション」の事業化を目指すという。
さらに、カーボンニュートラル社会に向けてグループが掲げる長期環境ビジョン「Panasonic GREEN IMPACT」に基づき、再生可能エネルギーの導入拡大を目指す。そして、水素の本格活用という新たな選択肢の提案を行い、脱炭素社会の実現に貢献すると述べている。
(出典:パナソニック Webサイトより)