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パナソニック 5G搭載車の通信性能を車両丸ごと測定可能な大型電波暗室を構築 自動運転とコネクテッドカーに向けて

2019/9/20(金)

パナソニック株式会社は、今後5G搭載が急速に進むと予想し、自動運転車・コネクテッドカーをターゲットに、車両丸ごと、全方位で通信性能測定が可能な、国内最大級の電波暗室(神奈川県横浜市)を構築したと発表した。
5Gでは複数のアンテナ(MIMO※1、ビームフォーミング※2)を使用して大容量通信を実現するが、車両搭載時は、車体による電波の反射や電子機器が放出する電磁波ノイズの影響を受け、5Gアンテナや無線機単体が持つ性能をそのまま発揮できない場合がある。本電波暗室では、効率よく車両丸ごとの通信性能評価を行うことが可能になる。
※1 MIMO:Multiple Input Multiple Outputの略。複数のアンテナで送受信することによりデータ通信速度を高速化する技術。
※2 特定の方向に電波を集中的に向けることで通信品質を向上させる技術。

また、車両デザイン設計の初期段階から、自動車メーカーと共に本電波暗室を用いた共同評価を行うことで、車両のデザインコンセプトと通信性能を両立させる、5Gアンテナと無線機の最適配置を導くことに貢献する。

電波暗室の測定システムの特徴

1. 効率の高い全方位測定
2. MIMOアンテナの通信性能評価
3. ビームフォーミング評価


車両を乗せたターンテーブルを360度回転させながら、疑似基地局タワーを円弧状に移動させ、タワーと車両の距離も変化させることで全方位測定を可能にしている。最大200の周波数ポイントを同時に測定でき、高い測定効率を実現している。さらに、アンテナ技術者が、各アンテナの詳細な測定データ解析を行うことにより、複雑なMIMOアンテナやビームフォーミングの通信性能評価の提供が可能だ。

車両用電波測定システム概要

電波暗室寸法:29m(D)×21m(W)×9m(H)
タワー高さ:8m
測定半径:0~7m
周波数:700MHz~9GHz、28GHz帯(それ以外の周波数対応も可能)
同時測定:200周波数ポイント
偏波:垂直偏波、水平偏波
測定角度:水平角 0~359度、1度ステップ;仰角 0~90度、1度ステップ

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