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パナソニックエナジー、EV電池用にNMG社とオフテイク契約の覚書締結

2022/10/27(木)

パナソニックエナジー株式会社(以下、パナソニックエナジー)は、EV用リチウムイオン電池の負極材料である黒鉛について、カナダの黒鉛製造企業であるNouveau Monde Graphite Inc.(以下、NMG社)と、オフテイク契約(長期供給契約)に関する覚書を締結した。10月20日付のプレスリリースで明かしている。

パナソニックエナジーは、世界規模で進むEVシフトの需要に対応するため、米国での車載電池の生産拡大に取り組んでいる。さらに、同社は、今後の生産能力の増強を見据え、材料の現地調達比率の向上や持続可能なサプライチェーンの確立を目指している。

同契約は、“鉱山から材料まで”を一貫して北米地域で行う事業開発プロジェクトを推進するための戦略的パートナーシップだ。具体的には、NMG社が有するケベック州のマタウィニー鉱山で採掘された黒鉛を精製し、同州ベカンクールにある電池材料工場において負極材を生産する。

今後は、パナソニックエナジー、NMG社、およびNMG社の転換社債引受を行う三井物産株式会社(以下、三井物産)との3社間の協業により、北米での黒鉛一貫生産事業開発に向けたフィジビリティスタディ※を推進する。NMG社が生産設備や材料サンプルを開発し、パナソニックエナジーがその評価などを行う予定だ。そして、2022年度内のオフテイク契約の締結を目指すという。

※ feasibility study、事業化調査

カナダでは、クリーンエネルギーの活用が進んでおり、電力の再生可能エネルギー由来比率が高い。NMG社も、再生可能エネルギーを活用しており、これらのエネルギーで環境負荷の低い黒鉛材料を精錬する。また、連邦政府、各州政府ともにクリーンなオペレーションを推進している。

パナソニックエナジーは、カナダ政府が重要視する環境問題の解決に関して共通の理念を有し、さらなるパートナーシップを深めたいと考えているという。さらに、同社は、2030年度にカーボンフットプリントを2021年度比で半減させるという目標を掲げている。そのような背景から、同社は、今回の提携を目標に近づく大きな一歩と捉えている。さらに、米国での電池生産に使用する材料をカナダから調達することで、サプライチェーンの距離を短縮し、物流過程でのCO2排出量の大幅な削減にもつなげる。

なお、同社は、電池開発・製造の優れた技術と豊富な経験により、今後もリチウムイオン電池業界の成長をけん引する。そして、同社が目指す「幸せの追求と持続可能な環境が矛盾なく調和した社会の実現」に近づけるために、将来的なゼロエミッションの実現に向けた取り組みをNMG社との強いパートナーシップをもって加速していくと述べている。

(出典:パナソニックエナジー Webサイトより)

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