パーソルR&Dら、PARTNER MOBILITY ONE開発
2022/11/2(水)
パーソルR&D株式会社(以下、パーソルR&D)ら4者は、観光向け新型モビリティ「PARTNER MOBILITY ONE」を開発し、福岡県久留米市で完成セレモニーを開催した。10月24日付のプレスリリースで明かしている。
同モビリティは、パーソルR&D、学校法人久留米工業大学(以下、久留米工業大学)、インテリジェント・モビリティ研究所、久留米工業大学発ベンチャーであるLe DESIGN株式会社(以下、Le DESIGN)の4者で開発した。
また、同モビリティは、対話型AI自動運転システム「Intelligent Mobility System」を搭載している。同システムは、インテリジェント・モビリティ研究所が2015年から研究開発と実証試験を進めてきたものだ。
同モビリティの利用方法としては、大型のテーマパークや公園、ショッピングモール、空港、駅、介護施設、医療機関などを想定しているという。利用者がアプリで同モビリティを呼び出すと、最寄りの車両が時速km/hという走行速度の無人運転で迎えにいくという仕組みだ。
くわえて、同モビリティには、1台につき2、3人が荷物とともに乗車できる。利用者が乗車後に行き先を伝えると、自動運転で安全に目的地まで案内する。XR(クロスリアリティ)、プロジェクションマッピングなどと連動した観光ガイドも可能なため、新たな観光体験を提供できるという。
また、同モビリティは、直線を基調としたシンプルなデザインを採用した。天板部に収納ボックスや各種センサー、ロボットを容易に搭載できるため、施設内の配送業務や安全監視業務、移動広告など、さまざまな用途に活用できる。
さらに、4者は、佐賀県の吉野ヶ里歴史公園での同モビリティのサービス提供の準備を進めている。2023年1月にサービス開始を予定しており、2022年11月には公園内での走行テスト、12月には来場者向けサービス体験会(試乗会)も計画中だ。ほかにも、全国各地の地方自治体や、大型商業施設で実証試験走行を企画しているという。
なお、パーソルR&Dは、「人と技術の力で、豊かな社会づくりに貢献し、ともに“はたらく個人”が自分らしくはたらく世界を創る」という提供価値の実現に取り組んでいる。そのために、新型自動運転モビリティ開発から始まる豊かな未来を創造し、新技術を活用できる社員の育成機会を多く提供していくと述べている。
▼関係者のコメント
■パーソルR&D 代表取締役社長 礒田英嗣氏のコメント
当社はパーソルグループの中で技術領域を担当しており、主に自動車など輸送機器関連の豊富な技術知見を強みに、多くのお客様に対して技術支援をさせていただいております。
この度、これまで培ってきたモビリティ開発のノウハウを活かし、久留米工業大学の皆様と共同での新型自動運転モビリティの開発に参画させていただいたことは、当社の社員にとって、大変ワクワクするチャレンジであり、このような機会を頂けたことを非常に嬉しく感じております。今後も、皆さんの前に広がる「便利で豊かな未来の可能性」や「地域の社会課題の解決」、お客様の「生産性向上に貢献」の実現に向けて技術の研さんに励み、社会の要請に応えてまいります。
■久留米工業大学 学長 今泉勝己氏のコメント
本学は自動車工学の教育機関を母体としており、モビリティの教育と研究を独自の強みとして50年余りの長い道のりを歩んできました。この強みを活かして新たなモビリティの価値を研究、提案するインテリジェント・モビリティ研究所の成果を「PARTNER MOBILITY ONE」として社会実装されることを大変嬉しく思います。また、移動に不安を抱えている方をモビリティ技術でサポートしたいという我々の想いに賛同し、開発に協力してくださったパーソルグループ様に心よりお礼申し上げます。
■Le DESIGN株式会社 代表取締役社長 東大輔教授のコメント
先進モビリティによる新たな観光サービスで、すべての方に特別な感動を楽しんでいただきたい。これが「PARTNER MOBILITY ONE」にこめた我々の想いです。大切なご家族やご友人と一緒に過ごせる時間は意外と短く、とても貴重なものです。お子様やご友人との素敵な想い出づくりに「PARTNER MOBILITY ONE」がお役に立てれば幸いです。そして、近い将来、このモビリティがさまざまな場面で活躍し、移動に不安を抱える方々の社会参画をお支えできればうれしいです。