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揺れる前に停車 ー SBドライブらが自動運転バス実証で地震予測システム検証

2020/2/20(木)

実証実験に使用する自動運転バス車両
川口市・SBドライブ・国際興業・MSSの共同プレスリリースより

SBドライブ株式会社(以下、SBドライブ)と川口市は、国際興業株式会社(以下、国際興業)、三菱スペース・ソフトウエア株式会社(以下、MSS)などの関係企業とともに、2月25日から28日まで川口市で自動運転バスの実証実験を実施すると発表した。地震発生時に揺れが到達する前に車両を停止させるシステムの検証の他、押しボタン式信号機と車両を連携させる検証などを行う。
今回の実証実験では、川口市内の複合施設「SKIP シティ」と埼玉高速鉄道・鳩ヶ谷駅前の広場間(往復約3.4km)で、日野ポンチョをベースに改造した自動運転バスを運行させる。自動運転バスの運行状況は、SBドライブの自動運転車両運行プラットフォーム「Dispatcher(ディスパッチャー)」で遠隔監視を行う。バスのドライバーとディスパッチャーを用いた遠隔監視は、国際興業が担当する。
川口市は、内閣府公募の「近未来技術等社会実装事業」に、「先端技術体験がもたらす地域振興と人材育成および公共交通不便地域の解消」をテーマにした取り組みで応募し、2018年に選定されているという。この一環として、駅から離れている「SKIP シティ」と鳩ヶ谷駅間で自動運転バスを実用化し、「SKIP シティ」来場者や勤務者の利便性向上を目指す方針だ。なお、今回の実証は一般向けの試乗等は実施しないとしている。

また、川口市は、自動運転バスの実証実験と併せて、端末交通の利便性向上に向けて、利用者の呼び出しに応じて自動走行するパーソナルモビリティの実証実験を私有地内で実施する。この実証は日本工業大学と共同で、株式会社福山コンサルタントの協力の下で実施する。自宅やバス停などの地点から、最終目的地までの間での利用を想定した実証で、川口市は自動運転バスとこのパーソナルモビリティを組み合わせて、便利に移動できるまちづくりを目指すとしている。
※出発地から鉄道駅・バス停、または鉄道駅・バス停などから目的地までの移動

■主な検証内容

1.地震の揺れが到達する前に車両を停止させるシステムの検証

車両の位置情報と、気象庁の緊急地震速報を組み合わせて、地震の揺れが走行中の車両に到達する時刻とそのエリアにおける震度を、MSS の「移動体向け地震予測システム」で予測する。その情報を「Dispatcher」と連携させることで、地震の揺れが到達する前に車両を自動で減速・停止させることを目的とした検証を敷地内において行う。今回の実証実験では、疑似の地震発生情報を使用する。「移動体向け地震予測システム」を自動運転バス向けに使用するのは、今回が初の試み。

2.災害発生時に危険レベルや避難所の情報を乗客に提供

車両内に設置した GNSS受信端末で「みちびき」から配信される災害・危機管理通報(訓練用信号)を受信し、MSS の「リアルタイム危険度通知システム」でその情報を川口市が持つ防災データベースと車両の位置情報に照会し、車両内のタブレットで災害の危険レベルや適切な避難所の情報を提供することができるか検証する。

3.押しボタン式信号機と車両の連携

押しボタン式信号機の情報を車両が取得して、車両が急制動を行うことなく横断歩道前で停止するデモンストレーションを行う。
地震の揺れが到達する前に車両を停止させるシステム

地震の揺れが到達する前に車両を停止させるシステム
川口市・SBドライブ・国際興業・MSSの共同プレスリリースより

災害発生時に危険レベルや避難所情報を提供するシステムイメージ

災害発生時に危険レベルや避難所情報を提供するシステムイメージ
川口市・SBドライブ・国際興業・MSSの共同プレスリリースより

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