モビリティの最新動向 ─北米の事例から SBDレポート
2017/10/27(金)
認知度とニーズ
では、実際の消費者の認知度はどうなのでしょうか。SBDでは今年、米国で800人の車両オーナーを対象として、カーシェアリング、ライドシェアリング、カープーリングの3タイプのモビリティについて調査を実施しました。ここでいうカーシェアリングとは短期間のレンタカーサービスモデル、ライドシェアリングとはUberのように、ドライバーが個人の所有車両を使用して配車サービスを提供する形態、カープーリングとは相乗りサービスで、決まった目的地に向かう車を複数でシェアすることを仲介するものです。まず、そうしたモビリティについての認知度を調査しました。図4は、年齢別の認知度を示しています。概して若年層の方が高齢者よりも認知度は高く、またどの年齢層でもライドシェアの認知度が最も高いことがわかります。
また、使ったことのある人の満足度はかなり高いことがわかります。
(図5:Uberはライドシェアリング、Zipcarはカーシェアリングサービス)
また、自分の車を使わずに他のモビリティを利用する理由についても聞いてみました。駐車場を見つけるのが難しいことと、渋滞を挙げたユーザーが最も多く、また、全般的に若年層の方が自分で運転することについてのマイナス面を強く感じる傾向があることがわかります。
ただ、他のモビリティオプションが充実してきたからといって、車を今後売ってしまおうと考えている人は15%に過ぎません。
ただし、この割合は、他のモビリティサービスをより頻繁につかっている人ではより高くなる傾向がみられました。
最後に、もしUberが無人の自動運転になったらより使いたいと思うかどうかについての調査結果をご紹介します。
結果、自動運転に移行した場合、約4割のユーザーが離れていく可能性があることが示されました。一方で、サービスを既に使っている人の中で、自動運転になった方がもっと使うだろうと答えたユーザーが3割以上いたことも興味深い結果です。人の資質に左右されないサービスを求める人がいる一方で、無人で目的地まで運ばれることに対する不安或いは抵抗感が存在することがわかります。これについては、今後の技術の向上や法規制の整備、また、業界としての啓蒙活動によって徐々に払拭されてことが期待されます。安くて安全な、そして使い勝手の高いモビリティサービスを求めるユーザー側のニーズにいかに応えていけるかが今後のモビリティ事業の課題であろうと考えられます。
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