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CO2を発生しない水素製造技術所有 双日、ハイカマイト社に出資参画

2023/7/20(木)

Hycamiteの製造プロセス

双日株式会社(以下、双日)は7月18日、ターコイズ水素の製造技術を開発するHycamite TCD Technologies Oy(ハイカマイト 以下、Hycamite社)への出資参画を発表した。
Hycamite社は、2020年に創業したフィンランドのスタートアップ企業だ。天然ガスやバイオガスなどの主成分であるメタン(CH4)を熱分解し、水素(H2)と固体炭素(C)を製造する技術を有している。一般的にこの製法で製造された水素はターコイズ水素と呼ばれ、製造時に二酸化炭素(CO2)を発生しない。このため、次世代水素として注目されている。

くわえて、Hycamite社は、独自に開発した革新的な触媒技術により、低いエネルギー消費量(電気分解による水素製造プロセスの13%の電力消費量)で水素を製造することができる。同時に、カーボンナノチューブなど付加価値の高い固体炭素製品を併産するという。

また、Hycamite社の技術で併産される炭素製品は、次世代リチウムイオン電池をはじめ複合素材などの高機能素材としての活用が見込まれる。製造工程でのCO2排出を抑えることが可能であることから、脱炭素を見据えた新たなニーズにも対応するとのことだ。

さらに、今回の第三者割当増資による資金調達は、総額2500万ユーロだ。双日にくわえ、フィンランド政府系ファンドのThe Finnish Climate Fund、その他投資家が引き受けに応じている。
なお、Hycamite社は、今回調達した資金を活用し、水素換算で年産2000トン規模(約2880Nm3/h)のデモスケールプラント建設を計画している。Hycamite社は、既にパイロットレベルでの技術実証を完了させており、フィンランド中部のコッコラ工業団地内で2024年中頃の稼働開始を予定しているという。

建設中のデモスケールプラントの
完成予想図


(出典:双日 Webサイトより)

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