損保ジャパンら、EV電池の品質保証サービス事業化に向けた実証開始
2022/11/21(月)
損害保険ジャパン株式会社(以下、損保ジャパン)と、株式会社日本総合研究所(以下、日本総研)は、EV電池の品質保証サービス事業化に向けた実証を11月から開始した。11月16日付のプレスリリースで明かしている。
中古EVを適正に評価するには、中古販売などの現場で利用可能な短時間、かつ幅広い電池に対応できる高速診断技術を用いる必要がある。一方、中古EVは、利用状態によって電池の品質が異なり、計測現場の環境によって精度に影響が発生するため、それらに対応できる適切な評価手法が求められてきた。また、従来のEV電池の品質評価には、EVから取り外して充放電する必要があり、計測に1日程度かかるため、中古販売の現場では実施が難しい状況だった。その結果、走行距離や年式などから推定せざるを得ず、適切な客観評価ができないという課題があった。
同実証は、BACEコンソーシアム※ の活動において、中古EVの流通促進に向けて、中古EV電池の品質保証サービスの事業化を検討するために実施する。目標は、電池を取り外さず1分以内で高速計測し、中古車販売のオペレーションに負担をかけることなく、精度の高い電池評価ができるシステムサービスを提供することだ。
※ 日本の先進診断技術開発および循環市場のエコシステムを形成する企業による事業検討のコンソ―シアム(プレスリリースより)
さらに、同コンソーシアムでは、中古車販売、ディーラー、リース等の事業者に、その時点で最適な各種の診断記述を一括で提供する。これにより、電池に依存せずに診断評価を行う市場横断的な流通プラットフォームを形成していくという。目標は、中古EVの健全な市場を構築し、EV購入者が安心して新車EVを購入できるようにすることで、EV市場自体の発展に貢献することだ。なお、同コンソーシアムの目標は、EVの循環市場の各段階にわたってEV電池の品質管理を行い、得られた価値情報を循環市場全体で流通させることだ。2022年度中に幅広い中古車販売、ディーラー、リース等の事業者と同試験を進め、保証サービスの手法に見通しを立てる。そして、2023年度には、同サービスの事業立上げを目指して、関係者との協働を推進していくと述べている。
(出典:損保ジャパン Webサイトより)