相鉄バスら、横浜市で駅に接続する自動運転バスの有償の実証実験実施
2021/9/7(火)
相鉄グループの相鉄バス株式会社(以下、相鉄バス)は9月2日、横浜市内の公道で路線バスの営業運行による自動運転バスの実証実験を実施すると発表した。実施日は9月20日から9月24日までの5日間、国立大学法人群馬大学(以下、群馬大学)、日本モビリティ株式会社(以下、日本モビリティ)とともに行う。
相鉄バスは、就労人口の減少に伴う運転士不足への対応のひとつとして自動運転技術の導入が不可欠と考えている。より安全な運行サービスを提供することでユーザーの利便性向上を図り、迅速な技術導入を目指す。群馬大学研究・産学連携推進機構次世代モビリティ社会実装研究センターは、大型バスの自動運転適用における課題解決や運行実務を目指している。この技術の実現により、自動運転「レベル4」の実用化につなげたいと考えている。
相鉄バスと群馬大学は、2019年4月に大型バスの自動運転に関する共同研究契約を締結した。2019年9月に、日本初となる大型バスによる営業運行での自動運転の第1回目実証実験を実施。2020年10月、同区間にて、日本初となる大型バスの運転席無人と「遠隔監視・操作システム」による営業運行を行っている。2021年3月には、相鉄バスとしては初めて、横浜市旭区左近山団地内の公道で自動運転バスの試験走行を行った。
今回の実証実験は、横浜市の「I▫TOP横浜 路線バス自動運転プロジェクト」の一環として実施する。2021年3月に左近山団地で実施した試験走行区間を延伸するものだ。相鉄線二俣川駅と左近山団地間を走行する路線バスの一部区間の公道を、大型の自動運転バスを用いて営業運行する。駅に接続する自動運転バスの実証実験は、神奈川県内では初だ。
運転席に運転士を配置した自動運転「レベル2」で同区間を往復する。路線バスの運行時刻に合わせ増便し、実際に使用しているバス停に正着させ、通常の運賃を収受する予定だ。なお、正着とは、あらかじめ定められた乗降場にバスの乗降扉を合わせて停車することだ。車内には運転士のほか、乗客の対応や運行のサポートを行う保安要員が1人乗車し、安全性を担保しながらスムーズな運行を実現する。
相鉄バスは、今回の実証実験の結果をもとに、自動運転システムによる本格的な営業運行に向けた課題を把握し、高い安全性と安定した操作性を追求する。さらに、今後も段階的な実証実験を重ねるという。目的は、自動運転に対する社会受容性の向上や、公共交通ネットワークによる持続可能な街づくりと、より安全な自動運転社会を実現することだ。そして、自動運転「レベル4」による営業運行の早期実現を目指すと述べている。
(出典:相鉄バス Webサイトより)