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スズキ、相良工場に作業分析AI「Ollo Factory」を導入 動画解析で熟練技能の継承とリアルタイム異常検知を実現

2025/12/24(水)

スズキ株式会社(以下、スズキ)は、株式会社Ollo(以下、Ollo)が開発する作業分析AIソフトウェア「Ollo Factory」を、2025年7月に相良工場の組み立て工程へ、同年12月にはエンジン工場へ正式導入したと発表した。スズキが推進する「スズキスマートファクトリー構想」の一環として、AIによるリアルタイム監視とデジタル化を通じて、作業ミスの抑止や生産技術の継承を推進する。

スズキの国内工場はグループ全体のマザー工場としての役割を担っているが、熟練技能の継承や作業の標準化が課題となっていた。今回導入された「Ollo Factory」は、東京大学松尾研究室発のスタートアップであるOlloが開発したシステムだ。

スマートフォンやタブレットで撮影した動画をAIが解析し、作業手順の自動作成やムダの洗い出しを行う。

特に、死角になりやすい組立工程などではウェアラブルカメラを活用し(特許申請中)、作業者の視点映像から新人と熟練者の動作の差を詳細に分析することで、教育効率の向上を図る。

また、本システムの大きな特徴として「リアルタイム異常検知」がある。ネジの締め忘れなどの作業抜けやミスをAIがその場で検出し、即座にアラートを発することで不良品の流出を未然に防ぐ。これにより、生産性と品質の同時向上を目指す。

スズキの市野一夫専務役員は、「慢性的な不良の根本解決に向け、タクトタイム内の重要ポイントをリアルタイム検出することが有効と考えた」と導入の経緯を語っている。

スズキは今後、本システムを他の国内工場へ順次展開するとともに、将来的には海外拠点への導入も視野に入れ、グローバルレベルでの品質・生産性の底上げを図っていく方針だ。

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