T2ら、自動運転トラックによる幹線輸送をカーボンニュートラル燃料で実証
2025/5/19(月)
住友化学と住化ロジスティクス(以下、SLC)とT2の3社は5月8日、2025年7月より、自動運転トラックによる幹線輸送※の実証を、関東から関西までの高速道路一部区間で開始することを発表した。
今回の実証では、住友化学グループが生産する複数の化学品を対象に、T2が開発したレベル2自動運転トラックを用いて関東から関西までの高速道路一部区間を幹線輸送する。これにより、化学業界において、サステナブルな物流オペレーションが構築できるかを検証する。
さらに、同実証では、CO2排出量の削減を目的に、カーボンニュートラルに資する燃料を使用する。2026年度から企業ごとのCO2排出量に枠を設け、企業間で過不足を取引する「排出量取引制度」が本格化するにあたり、自動運転の分野でも、こうした社会の動きにどれだけ対応できるかを確認していくという。
なお、3社では、今回の実証の結果を踏まえて、T2が2027年より開始するレベル4自動運転トラックの実現に向けて連携を深めていくほか、カーボンニュートラル燃料のうち、廃食油を主な原料とし、次世代の軽油代替燃料として期待される「リニューアブルディーゼル」を使用した輸送も目指していくと述べている。
▼関係者のコメント
■住友化学 常務執行役員 大野顕司氏のコメント
物流を取り巻く環境はさらに厳しさを増しており、ドライバー不足は喫緊の課題となっています。当社においてもDXを活用した自動化、機械化の検討を進めており、自動運転トラックの活用は将来を見据えた有効な手段と考えています。今回検証に参加することで、とりわけ安全面を重視しながら多種多様な荷姿を持つ化学品への適用可能性を探り、持続可能な物流の実現につなげて行きたいと考えています。
■SLC 代表取締役社長 高木国博氏のコメント
自動運転トラックによる幹線輸送の実証は、ドライバー不足という現在の日本が抱える社会課題の解決に大きく寄与し、物流業界の未来に変革をもたらす挑戦です。当社は「安全・品質重視のサステナブルな物流サービス」を中期経営計画の重要テーマの一つとし、各種取り組みを進めています。今回、T2との実証実験への参画を通じて、取扱いが難しい化学品の安全かつ持続可能な物流の構築を積極的に推進していきます。
T2 代表取締役CEO 森本成城氏のコメント
住友化学と住化ロジスティクスとともに社会的意義の大きな本実証を実施できますことに心より感謝を申し上げます。将来を見据えた化学品の持続可能な輸送、そしてカーボンニュートラルの実現といった社会課題の解決にT2が少しでも貢献できるよう、今回の実証で確かな道筋をつけてまいりたいと考えています。
※ 工場で生産された商品を全国の配送拠点に主要な輸送ネットワークを通じて効率的に運ぶこと