伊藤慎介の “Talk is Cheap” 〜起業家へと転身した元官僚のリアルな産業論 第5回 「自動走行」を理由に先送りされかねない地方の高齢者の移動問題
2017/10/30(月)
2017年2月16日に首相官邸で開催された「未来投資会議」において、自動走行に関する政府の戦略が発表された。規制当局と民間企業が一体となって圧倒的に先行している海外の取り組みに危機感を持った経済産業省が首相官邸の協力を得て国家戦略に位置づけたものである。
政府の自動走行戦略は大きく2本柱となっている。
1本目はドライバー不足に悩む物流事業者の切実な声に対応した「トラックの隊列走行」である。3台のトラックの先頭車両にいるドライバーが運転し、後続する2台のトラックが無人で追随するという列車のようなトラックである。
実証実験を重ねて2020年度までに技術や車両を完成させ、2022年度以降に実用化するという計画になっている。
2本目が公共交通手段の行き届いていない地方や郊外において、無人の「自動運転バス」を走行させ、移動に困る高齢者などの課題を解決するといものである。10人乗り前後の小型バスや電動カートを開発し、モデル地域での実証を行い、2020年度ごろには民間事業者によるサービスとして実現していく計画になっている。
Googleが無人の自動走行車を縦横無尽に走らせているカリフォルニア州では、技術やビジネスが先行し、その取り組みに呼応するように規制当局が柔軟に動く環境となっているが、残念ながら日本では同じような状況を実現することが出来ない。
そこで実際に切実なニーズが存在し、それに対する解決策として自動走行を位置づけざるを得なかった苦労があったのだろうと推測している。
しかし、移動に困る高齢者の課題を自動走行で解決するという話を聞き、「誰が電気自動車を殺したのか ?」という電気自動車に関するドキュメンタリー映画に登場するゼネラル・モーターズ(GM)を思い起こしてしまった。
政府の自動走行戦略は大きく2本柱となっている。
1本目はドライバー不足に悩む物流事業者の切実な声に対応した「トラックの隊列走行」である。3台のトラックの先頭車両にいるドライバーが運転し、後続する2台のトラックが無人で追随するという列車のようなトラックである。
実証実験を重ねて2020年度までに技術や車両を完成させ、2022年度以降に実用化するという計画になっている。
2本目が公共交通手段の行き届いていない地方や郊外において、無人の「自動運転バス」を走行させ、移動に困る高齢者などの課題を解決するといものである。10人乗り前後の小型バスや電動カートを開発し、モデル地域での実証を行い、2020年度ごろには民間事業者によるサービスとして実現していく計画になっている。
Googleが無人の自動走行車を縦横無尽に走らせているカリフォルニア州では、技術やビジネスが先行し、その取り組みに呼応するように規制当局が柔軟に動く環境となっているが、残念ながら日本では同じような状況を実現することが出来ない。
そこで実際に切実なニーズが存在し、それに対する解決策として自動走行を位置づけざるを得なかった苦労があったのだろうと推測している。
しかし、移動に困る高齢者の課題を自動走行で解決するという話を聞き、「誰が電気自動車を殺したのか ?」という電気自動車に関するドキュメンタリー映画に登場するゼネラル・モーターズ(GM)を思い起こしてしまった。
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