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ティアフォー、デジタルツイン指向の自動運転シミュレーター公開

2022/11/29(火)

株式会社ティアフォー(以下、ティアフォー)は、デジタルツイン指向の自動運転シミュレーター(Scene Simulator for Autoware-AWSIM)をオープンソースで公開した。11月28日付のプレスリリースで明かしている。

同シミュレーターの目的は、安全な自動運転システムを効率的に開発することだ。自動運転ソフトウエアの評価・検証を実現するために、3次元モデル地図をベースに仮想世界を構築し、リアルな物理モデルを用いたセンサーデータモデルと組み合わせている。これにより、現実世界の運転、および交通環境をシミュレーションする。

さらに、同シミュレーターでは、今後機械学習向けに学習用合成データを自動生成する。これにより、機械学習を活用した物体検出や環境認識の学習および検証コストを大幅に低減できるようになる。

また、ティアフォーは、商用ソフトウエアプラットフォーム「Web.Auto」を提供している。同プラットフォームでは、自動運転シミュレーション、CI/CDデータパイプライン、データ管理、運行管理、遠隔監視を実現する。



Web.Autoがこれまで実施してきた自動運転ソフトウエアの検証は、シナリオベースの運転および交通環境シミュレーション、ならびに走行ログを用いた現実事象の再現テストが中心だった。同シミュレーションがWeb.Autoのプラットフォームにくわわることで、より安全な自動運転を実現するための目的に応じた効率的な検証ができるようになる。

なお、Web.Autoは、アマゾン ウェブ サービス(AWS)のクラウドプラットフォームを採用している。また、デジタルツイン指向の自動運転シミュレーターには、Unityの技術を採用しているという。

▼関係者コメント
■ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社 代表取締役社長 堀田徹哉氏のコメント
「この度は、ティアフォー様とパートナーシップを締結し、自動運転の実現に向けて、3Dシミュレーターを共同開発できることを大変うれしく思います。今では自動運転の開発ではデジタルツイン環境でのシミュレーションが欠かせないものとなっております。今回のパートナーシップを通じて、ティアフォー様とともにより高度な自動運転の実現に貢献していければ幸いです。」

■The Autoware Foundation(AWF) Board of Director Yang Zhang氏のコメント
「AWFは、AWSIMのオープンソースとしてのリリースをとても大きなコントリビューションとして歓迎します。このAWSIMが標準のエンドツーエンドデジタルツインシミュレータとして活用されていくことをとても楽しみにしていますし、AWFの主要メンバーであるティアフォーの揺るぎないコミットメントにとても感謝しています。」

■ティアフォー 創業者兼CTO 加藤真平氏のコメント
「ティアフォーのミッションは、インテリジェントな車両を通じて価値を共創することです。この目標を正しい方法で達成するために、私たちは「The Art of Open Source – Reimagine Intelligent Vehicles」というビジョンを共有し、できるだけ多くの組織や個人が私たちのミッションに参加できるような健全なエコシステムの確立を目指しています。 今回発表したデジタルツイン指向の自動運転シミュレーターも、オープンソースで公開することで、私たちのビジョンを実現し、市場での責任を果たす製品の1つであると考えています。」

■アマゾン ウェブ サービス(AWS)ジャパン 執行役員 技術統括本部長 巨勢泰宏氏のコメント
「自動車業界のお客様のクラウドを活用した先進運転支援システム(ADAS)へのお取り組みを歓迎いたします。AWSは、AWSパートナーであるティアフォー様が Web.Autoを通してこのようなお客様を支援するために必要となるクラウドのテクノロジーを提供しています。オープンソースとして公開されているデジタルツイン指向の自動運転シミュレータは、自動運転開発を行うお客様が、より現実世界に即した環境でのシミュレーション・テストを行うことを可能にします。このシミュレータが Web.Auto経由で提供されることにより、ADASおよび自動運転技術の発展が促進されることをうれしく思います。」

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