東京メトロら、車両の水平リサイクル実現 内装部品にもリサイクル材を活用
2025/11/27(木)
東京地下鉄(以下、東京メトロ)は11月25日、メトロ車両、ホンダトレーディング、日本総合リサイクル、日軽金アクト、住江工業と共同で、半蔵門線8000系車両から半蔵門線18000系車両へのアルミニウム水平リサイクル※実現を発表した。
今回の取り組みでは、廃車となった東京メトロ半蔵門線8000系車両の車体を、解体時に鉄・ステンレス・樹脂等を可能な限り除去し、車体の部位毎で用途に応じて使い分けられているアルミ合金種別ごとに概ね分別することで、水平リサイクルに適用するアルミ合金種別(5000番台、6000番台)のみを各々選別したアルミスクラップした。そして、溶解(不純物除去・詳細組成確認)し、水平リサイクルされた板材(5000番台)、押出ビレット製造の上、アルミ押出形材(6000番台)を製造。品質が、新塊から製造した部材と同等であることを、各々確認している。
また、車両内装部品用の材料についても、水平リサイクル材を活用して、腰掛部の背もたれに使用する背板(5000番台)、妻パネルの側面板に使用する形材(6000番台)を製造し、半蔵門線18000系新造車両(18119編成)の車両内装部品として適用したという。これらの水平リサイクル材の使用により、車両内装部品に使用するアルミ二ウムを製造する際のCO2排出量を約8t削減することができたとのことだ。
なお、6社は、今後の新造車両で、アルミニウム水平リサイクルの適用範囲を拡大するために、強度部材であり、より一層の品質管理が必要となる車体構体への循環利用の実現を目指し、今回の研究で得た知見を生かして、さらに共同研究を推進する。これにより、新造車両製造時のCO2サプライチェーン排出量のさらなる削減を目指していくと述べている。
※ 同一純度や同一組成の合金に還流させ、純度や合金組成を維持するリサイクル。劣化を抑えるために、厳密な選別・調整が必要。(プレスリリースより)








